公取委の有識者会議は昨年2月にまとめた「人材と競争政策」に関する報告書で、「発注者(=芸能事務所)は書面により、報酬や発注内容といった取引条件を具体的に明示することが望ましい」と提言。著しく低い対価で取引を求めることなどは独禁法上の問題となる場合があるとしていた。
吉本興業を巡っては、所属芸人が反社会的勢力のパーティーに出席した闇営業が発覚。そこから、吉本側が芸人らと契約書を交わしていないことを疑問視する声が上がり始めていた。
報道をまとめると、山田事務総長はこの報告書に触れ、「契約書がないことが直ちに問題になるわけではない」とした上で、「契約内容が不明確なことで優越的地位の乱用などを誘発する原因になり得る」と指摘。また、一般論として「契約書面が存在しないのは競争政策上、問題がある」との見解を示したというのだ。
「今月20日の雨上がり決死隊・宮迫博之とロンブー・田村亮の会見でも質問が出ていたが、契約書があって『闇営業をした場合は解雇』と明文化されているならば、宮迫との契約解除も納得できた。しかし、2人によると明文化されていなかったとのこと。そうなると、公取委が指摘した『優越的地位の乱用』にあたるだけに大問題。吉本は契約書の作成を迫られることになりそうだ」(芸能記者)
行政から苦言を呈された吉本だが、話題の公取委からも問題視され、企業の体質改善が急務のようだ。