映画「マイ・バック・ページ」は、1969年から1972年までの時代を描いた作品で、原作はエッセイや評論で活躍する川本三郎の記者時代の体験をつづった同名のノンフィクション。妻夫木は理想に燃えるジャーナリストを、松山は革命を目指す活動家を演じる。5月28日(土)から全国で公開。
妻夫木は、映画を「これからの人生で少しでも影響を与える作品」と振り返った。撮影中、役作りのために、川本三郎が住んでいたという東京都杉並区の阿佐ヶ谷へ行き、商店街を歩いたり、実際に買い物をしてみたエピソードを語った。店員から「この辺に住んでるんですか?」と聞かれたという。
また、「今、夢中になれるものがありますか?」とのアンケート調査では、会場にいた大学生の女性が「建築に夢中で」と答えると、妻夫木は、「最初、ケンイチクンに夢中って聞こえて、おいって思いました」と笑った。
また、「心の底から信頼できる人はいますか?」との質問に、松山は、「(撮影の)現場に入ると、知り合いでもない人とも、信頼関係ができていく」「青森の地元でも信頼関係を築いているし、そういう、信頼関係を作ることができる場所があることも幸せ」と語った。
「男泣きは、あり? なし?」の質問に、妻夫木は、芝居の演技でも泣くことができない時期もあったが、“男が泣くなどだめだ”というような先入観をなくしてみようと思ったことを紹介し、「それから、涙もろくなった」と語った。先輩・妻夫木の後を受けて回答した松山は、「昔は泣き虫で、怒られる前から泣いてました」と告げ、「今は泣きません。涙は出ません。お芝居でも出ません」と男の涙を否定。「まだ、妻夫木さんのようにはなれない。裸になれていないのだと思います」と語った。
妻夫木は、(夢中になっていることがあるかの質問に会場から)「四分の三ほどマルがあがっていたことがうれしい。何もできない自分が役者に出会って夢中になった。今、現在、熱中しているものがあることは人間としてすばらしいこと」「一生懸命になることはダサいことじゃない。失敗を恐れずに、一歩、一歩、進んでいってほしい」と若者たちへエールを送った。