A:ヨーガなどでは、呼吸法に併せて肛門締めを行うようです。私も肛門締めを勧めていますが、理由は骨盤を整える効果があるからです。
骨盤は立体構造です。立っている時や坐っている時には、上体の重みが骨盤にかかるし、体を動かす時も負担がかかります。
また、骨盤は立体構造ゆえ、上下、左右、斜めなどに歪むリスクをはらんでいます。歪むと腰痛をはじめ様々な症状を引き起こします。
●若いときの骨盤に戻す
ご質問の方はロコモティブシンドローム(ロコモ)を気にされているようです。ロコモは骨や関節、筋肉などの運動器の衰えが原因で、歩行や立ち座りなどの日常生活に障害をきたしている状態のことです。
私は、体の老化の本体は骨盤にあると考えています。若い時は体を大きく後ろにそらすことができますが、年をとるとできなくなります。その要因は、骨盤がゆがみ、広がったり、後ろに傾いたりしているためです。
肛門を締めると、肛門周囲の筋肉だけでなく、お尻の臀筋、腸腰筋などの筋肉を緊張させ、骨盤の歪みの補正に役立ちます。私は、生ゴムのバンドをお尻に巻いて腰を回す「ゴムバンド健康法」を勧めてきました。
ゴムバンドをお尻にきつく巻いて、肛門を意識してギュッと締めながら、腰を左右に大きく回しましょう。
肛門締めには筋トレ、便秘改善、重心の安定などをはじめ、疲れにくくなる、若々しくなるなどの効果があるというのは本当です。
骨盤が若いときのような形に戻ると、ロコモが予防できるのはもちろん、体や体つき全体が若返ります。ぜひ、この若返り法を実践してみてください。
*************************************
山田 晶氏(歯科医師)
骨盤療法(ペルピックセラピー)で著名。日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨盤のゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。やまだ治療院顧問。