イギリスに住むリン氏の8歳の息子は、YouTubeの動画を見ていたときに不気味なモモのアイコンが宣伝広告に出現し、怖くなったという。それを知ったリン氏は「息子は『ナイフを取り出して首を刺せ』と言われた」と語ったと、26日更新の「デイリー・ミラー」が報じている。
アルゼンチンでは、ある12歳の少女の死とこのゲームとの関連性が疑われている。また、ベルギーの検察庁は2018年11月、当時13歳の少年が自殺したのは、モモチャレンジによるものだと発表したと同記事は伝えている。
リン氏は同記事内で「ネット上で息子がさらされている危機を親が全て把握するのは困難だ。自殺ゲームのリスクを制御できないことは恐ろしいことだ」と語ったという。
自殺を促すゲームといえば、2017年に流行した「ブルーホエール(青い鯨)」が有名だ。50日間かけて指示に従ってその内容をこなし、最終的には自殺させられるというSNSなどを介したゲームで、モモチャレンジに酷似している。2013年にロシアで誕生し、同国内だけで130人以上が自殺し、インド当局が規制したことでも知られている。
モモチャレンジは世界各国で事件に発展している。日本ではどうなのだろうか。
ツイッターを見ると2018年9月頃にモモチャレンジが流行していたようで、書き込みが相次いでいる。インスタグラムでは「Momo Challenge」と入力し、表示された画像を見ようとすると自殺関連キーワードを検索したと判定され、「助けが必要ですか?」とサポートを利用するよう促すポップアップが表示された。しかし「投稿を見る」とタップすると、内容を見ることが可能だ。YouTubeでも「Momo Challenge」「モモチャレンジ」で検索すると、関連動画が大量に表示される。
幸いにも現在、日本での犠牲者は確認されていないようだが、SNS上には「モモにフォローされたw」「モモチャレンジのアカウント探してDMしようと思ったけど見つからなかった」などのコメントも見られた。
「自分だけは大丈夫」と過信する若者は多い。「怖いもの見たさ」で肝試しをしたりホラー映画を見たりして、スリルを求める気持ちは理解できるのではないだろうか。ただし、若者は影響を受けやすい面もある。興味本位のつもりが気づかないうちにのめり込むというパターンが、自殺者を生んでいる背景との見方もある。
「ブルーホエール」のときも同様だったが、絶えず進化するソーシャルメディアの中では、大手サイトがブロックしても新たなアプリやゲームが生まれる。親が子どもを守るために何ができるのか。デジタル社会の新たな問題が浮き彫りになったと言えるだろう。