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専門医に聞け! Q&A どんな場所でも暑さや寒さに巧みに対応

 Q:毎年、仕事の関係で山間部の避暑地で夏を過ごします。猛暑にさらされないのに夏バテしたり、熱中症のようになったりしたことがあります。どうしてでしょうか。対策法と併せてアドバイスをお願いします。(42歳、不動産会社勤務)

 A:夏バテというと、暑さによって起こると思いがちです。間違いではありませんが、涼しいはずの避暑地でも夏バテや熱中症になる人は意外にいるのです。そういった所で夜になると高熱を出すケースもあります。
 さらに、避暑地では寒暖の差が大きい場合もあります。朝晩の寒さにやられ、おなかをこわして夏バテする人もみられます。

●場所によって体調不良はなぜ起こるのか
 都会で生活していると、体は外気の暑さとクーラーによる冷えに影響されます。避暑地や高地でもまた気温に違いはありますが、暑さと寒冷の影響を受けるのです。ゆえに、どんな所でも暑さと寒さに巧みに対応することが求められます。
 対策としては、屋外での熱中症予防には、帽子をかぶるとともに首の後ろにタオルや夏用のコットン地のマフラーなどを巻いて当てるようにしましょう。
 また、東洋医学では、熱(暑さ)は首から入ると考えます。旧日本陸軍の兵士の帽子には、首の後ろに日覆いが付いていました。これは名前の通り、暑さ除けのためです。

●熱中症や夏バテに効く漢方薬
 熱中症の予防のためには、水分の摂取が欠かせません。体内から水分が失われると、それと併せて塩分も失われます。水分の補給とともに、ナトリウムなどの電解質の補給も忘れないでください。そのためには、イオン飲料がお勧めです。
 胃腸がもともと弱い人は、水分を取り過ぎると調子をますます悪くします。当然ですが、飲み過ぎないように注意しましょう。
 体を冷やして、利尿を促進する食品にスイカがあります。暑さに負けて体に熱を持ったときに、熱と水分を取り除くのに役立ちます。東洋医学には、熱中症や夏バテの薬があります。熱中症に用いる漢方薬は「白虎加人参湯」といい、夏バテに用いる漢方薬は「清暑益気湯」です。
 現代医学には、同様の作用を持つ薬はなく、これは東洋医学の特徴の一つです。
 また、「白虎加人参湯」は熱中症の予防にも有効です。うだるような暑さの戸外に出るときには、イオン飲料にこの漢方薬を入れて持参し、時々飲むようにしてください。
「清暑益気湯」も同様です。夏バテの予防にも役立ちます。

三浦於菟氏(東邦大学医学部医療センター大森病院東洋医学科教授)
東邦大学医学部卒。国立東静病院内科勤務を経て、中国・南京中医学院、台湾・中国医薬学院に留学。日本医科大学附属病院東洋医学科助教授を経て現職。著書『東洋医学を知っていますか』など多数。

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