訴状によると、A氏は98年から今年8月まで、サスケの試合用、議会用、結婚式用の覆面170点を製作したにもかかわらず、代金約330万円が未払いになっているうえ、ブログに覆面を侮辱する書き込みをされたとのこと。
そのブログの内容とは、サスケが自身で8月29日に書き込んだ、「本日、18時半より新宿FACEにて、アレクサンダー大塚のデビュー15周年記念大会。私と藤原(喜明)組長が久々のタッグ結成! 対するはそのアレクと(新崎)人生社長。このメインイベントの出場条件は全員スキンヘッドということなのだ。
髪の毛はすぐ伸びちゃうので、スキンヘッドにするのは試合前で良いとしても、マスクはそれ用の物を作らなければ。職人の○○さん(A氏)から製作工程の報告が写真と共に送られて来た。はぁ? これじゃぁ、お面以下だよ。最近の○○さんはすっかりセンスが無くなったねぇ。作りもいい加減だし。誰か他に良い職人さんいませんかぁ!? 募集中!」といった記述。
一連の報道だけを見ると、10年以上に渡り製作費を払わなかったサスケは極悪人のように受け取られるが、プロレス界には特殊な事情もあるようだ。
それは、A氏がサスケの覆面をビジネスとして使っていた点。プロレスファンの間では、覆面はグッズのひとつ。人気マスクマンの覆面は高額で販売され、かなりの数が販売されるという。つまりは、サスケがA氏製作の覆面を着けて、活躍することで、A氏も儲かるわけである。A氏にとって、サスケはいわば宣伝広告塔であったわけだ。
この件に関し、事情通のプロレス業界関係者の某氏は、「問題はサスケとA氏がどういう契約をしていたかということです。ただ、サスケほどの人気選手となれば、A氏も相当の儲けがあったはず。こういう場合、製作者側が製作費は取らない代わりに、覆面を売る権利をもらうというケースも多いようです」と語る。
サスケは所属事務所を通じ、「代金は徐々に支払うことで合意ができていた」とコメントした。支払う約束があるのならば、支払うべきものだが、前述の事情通は、「和解した方がいいです。A氏もサスケのおかげで儲けたんだから」とも語る。
何かと話題を振りまくサスケだが、今回は業界から同情の声もチラホラ聞こえてくる。