それから11年後、バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)にて、加藤と田中の和解企画が放送。そこで田中が登場すると、加藤は「あの頃は若かったので、人に噛みつけばいいと思っていた」と過去の自分を振り返り反省すると、土下座で謝罪した。一方、田中も「自分にも至らないところがあったと思うので」と語り、両者の関係は修復されたのである。
そんな加藤だが、今では朝の情報番組『スッキリ!!』(日本テレビ系)のMCを10年以上担当し、狂犬の顔は鳴りを潜めている。しかし12月20日、同番組の生放送中、久しぶりに共演者に噛みついたことで、視聴者を驚かせた。
この日、スタジオには、自身の出演番組『さよなら、フーテン人生』(日本テレビ系)の宣伝のため、俳優の藤岡弘、が登場。その番組は一般の出演者がこれまでの生活態度を改め、山ごもりをするという内容のため、藤岡は現代の若者について語り始めた。しかし加藤は、彼の話の途中で「それ、パーマなんですか?」と関係のない質問をぶつけ、さらに「ロット? ロット?」と続けたことで、藤岡は表情を歪ませた。その後も、世界情勢について真面目に話す藤岡だったが、加藤は「はい! はい! はい!」と食い気味で心ない相槌をうち続けたのである。するとその態度を目の当たりにした藤岡は「なんにもわかってないよ」「大事なことだよ! 日本が沈没になるかもわからないよ!」と沸々とした怒りを露呈。その様子に、最初は笑みを見せていた周りの出演者も、次第に表情が凍っていき、スタジオは険悪な雰囲気に包まれた。
しかしその最悪な状況を救ったのが、天の声を務める南海キャンディーズ・山里亮太である。彼はその空気を瞬時に察知し、相手に失礼とも思われかねない加藤のリアクションに対して「加藤さん、加藤さん…。加藤!」「おかしいじゃない。若者への熱いメッセージを送っている時に」「よく聞けよ加藤!」とツッコミを入れ続け、場を繋いだのだった。そして最終的には山里が「今日、(藤岡出演の)この番組を見れば、藤岡さんの熱い思いが伝わるということですね」と発言したことで、藤岡は「そういうことです」と納得。番組は次のコーナーへ移行した。のちに、この時のことについて山里は「加藤浩次VS藤岡弘、ひりついた朝。最高でした」とツイッターにて述懐している。
藤岡といえば、バラエティでは時間を無視したトークを続けることで、ダウンタウンなどからイジられることも多い。それだけに加藤も、他の俳優とは違う独特な空気を醸し出している藤岡との絡みを、笑いに変えようとして、失礼な態度を悪気なく取ってしまったのかもしれない。しかし放送中、番組を見ていた視聴者の間では「驚いた」といった意見も飛び交い、一触即発の空気がお茶の間に伝わってしまったようである。
(柴田慕伊)