「本当に慌ててクラブを振ったというか、打球は大きく曲がって、そのまま林に消えてしまいました」(スポーツ紙記者)
全英オープン制覇を成し遂げた女王らしからぬ凡ミス。しかし、これにはワケがあった。
ハーフターンとなったところで、シブコはトイレに向かった。休憩とまではいかないが、ハーフターンの際、比較的長めの時間が空く。その間を利用してトイレに行く選手もいれば、ドリンクタイムに変えて気分をリフレッシュする選手も少なくない。
その日のシブコはトイレに向かったのだが、何と、女子トイレの前は大行列。一般ギャラリーも多く、身動きができなくなってしまった。
「サインや握手を求められたとも聞いています。ゴルフ取材記者は男性ばかりなので、目撃したのではなく、周囲にいたファンに聞いた限りですが」(前出・同)
シブコはここでも笑顔で応じていたという。そして、ようやくトイレからグリーンに戻ることができたのだが、時間がかかり過ぎた。「あわや、失格」となる寸前で、シブコは方向も確かめずにクラブを振った。ボールが林に消えていき、痛恨のボギーとなった。
「2打目はグリーンに戻すだけ。でも、そういう失敗を笑って語れるのも彼女の良いところですね」(同)
厳密に言えば、時間超過で失格になることはない。「注意」で済む話だが、シブコは他の選手に迷惑が掛かるとし、1人で慌ててしまったのだ。
イライラのプレーが続いたものの、最終ホールでは気持ちを切り換え、シブコ・スマイルをギャラリーに向けていた。その日の会見でも大好きなイカの駄菓子の話で盛り上がり、前夜に仲間たちと食した鍋料理の話まで披露していた。
「他の選手ならスイマセンと言って、トイレの順番を変わってもらうこともできたかもしれません」(関係者)
フツーの選手なら、人気者になったことで自分を見失ってしまう。つらいこともあるのだろうが、シブコはそういう苦労も楽しんでいるようだ。