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元川悦子のサッカー魔法陣(9)

 Jリーグ開幕まで2週間。昨季のJ1は史上稀にみる大混戦の結果、穴のない鹿島が連覇を果たした。水戸からパク・チュホを獲得したくらいで陣容はほぼ変わらないが、安定感は揺るがない。腎臓病で開幕に間に合うか微妙といわれた本山雅志も順調な回復ぶりで、長期離脱中の小笠原満男も3月中の復帰にメドが立った。昨季得点王のマルキーニョスがコンスタントに結果を残せば今季も上位は堅い。

 昨季低迷した浦和とACL王者のG大阪がどう絡むかがまず気になるところ。
 浦和はフィンケ監督が就任。1月中旬から早々と始動し、宮崎・指宿で2度の長期合宿を張っている。相馬崇人と永井雄一郎が移籍。大型補強はなかったが、高原直泰、鈴木啓太ら昨季不振を極めた面々が復調しつつあるのは明るい材料。新指揮官は若手発掘にも熱心で、17歳の原口元気の先発入りも現実味を帯びてきた。

 G大阪は唯一、大型補強を行ったチーム。レアンドロ、チョ・ジェジンと得点力を計算できるFW陣に、日本代表の高木和道、韓国Kリーグで活躍したパク・ドンヒョクとDF陣を補強。「近未来の日本代表エース」との呼び声高い、16歳の宇佐美貴史もトップ登録された。西野朗監督もスタメンを決めかねる豪華さだが、現時点では負傷者が続出している。新外国人FW2人の開幕欠場が濃厚で加地亮もケガ。3月からACLもあるだけに心配だ。

 昨季ナビスコ杯王者の大分、爆発力のある川崎、名門復活に懸ける横浜など他にも注目チームはある。だが、大分は出場中のパンパシフィック選手権を見る限り、仕上がりがいまひとつ。川崎と横浜は中村憲剛、中澤佑二ら代表勢の合流の遅れが気になる。初昇格の山形を含め、実力差はなく今季も混戦は必至だ。

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