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「おぐらが斬る!」その健康雑学は間違いかも

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現代社会はこれまでにない“健康至上主義社会”になっている。いろいろな健康法に凝っている人など、健康のためなら病気になってもいい・死んじゃってもかまわないなんて人が、冗談ではなく本当にいるからオソロシイ。

たとえばいまの時代、肥満は健康の敵らしい。肥満の目安として体重だけでなく、「BMI」指数というものがあり広く使われている。このBMIはアメリカのメトロポリタン生命という保険会社のルイ・ダブリンというひとりの社員が世界に広めたことで、よく知られるようになった。

ルイ・ダブリンは1945年に太った人は保険料の支払額が大きい傾向にあることに気付いた。このルイ・ダブリンは「太った客が増えたら会社が儲かる」と考えたわけだ。さすが資本主義帝国アメリカ。

しかし保険会社はお菓子会社ではないので、太った客や人を増やすことはできない・・・ わけではない!

「肥満」「標準」「やせ型」の基準を変更してしまえば「標準」の人を「肥満」に分類でき、高い保険料を支払わすことができる。

そもそもBMIは「体重(kg)」÷「身長(m)の2乗」で、この計算式の中に筋肉などは含まれずかなりいい加減なものなのだ。医学的裏付けもない。最近では太りすぎ(BMI:30.0~39.9)より、むしろ痩せすぎ(BMI:14.0~18.9)の方が、死亡リスクが高いという研究結果もでている。

カルシウム不足になるとイライラするというのは70年代に広まった都市伝説。この時代、ある雑誌に、連合赤軍の食事内容を調べた大学教授が「インスタントラーメンばかり食べていてカルシウムや野菜が足りない。カルシウム不足が残酷なリンチを促したのでは?」と「カルシウム不足がストレスの原因説」と唱えたものが大衆に受け入れられたが、これはデマだった。

皮肉なことにこの連合赤軍が人質をとって立てこもった「あさま山荘事件」では、あさま山荘のなかでインスタントラーメンを食べる連合赤軍は「あんなものを食べているから」と批難され、外で取り囲む警官隊は、発売されたばかりのカップヌードルを繰り返し食べる姿が放映され、「なにあれおいしそう」と、カップヌードルは大ヒットする。

疲れて元気がなくなってきたとき、「元気イッパツ!」と栄養ドリンクやエナジードリンクを飲む人も多いと思う。しかしこれらのドリンクにはカフェインや糖分がたっぷりと入っているのだ。栄養ドリンクの場合、微量のアルコールが入っているものもある。

人間の体は、疲れたら休みたくなるように出来ている。栄養ドリンクやエナジードリンクはその「休みたくなる機能」を麻痺させ「体力の前借」をしていることになるので、「毎日飲む」や「一日何本も飲む」とかえって疲れやすくなってしまう。

どうも健康雑学や健康常識は「?」なものが多いようだ。健康はなにより大切だが、あまり過度に気にすることなく、ちょっといい加減なくらいがちょうどいいのかも知れない。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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