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六代目山口組 全国各地で結束を強化 “抗争のキーマン”が極秘上京

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提供:週刊実話

 六代目山口組でも極秘裏に会合が行われており、3月16日、東京の五代目國粹会(藤井英治会長)本部では、午前中から組員らが準備を整えていた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、出迎えの組員らは全員マスクを着用し、手にも消毒液を吹き付ける念の入れようだったが、國粹会・橋本龍雄若頭は素顔のまま玄関先に姿を現した。その直後、次々に車両が到着し、降り立った人物たちは建物内へと入っていった。

 この日、開かれたのは、六代目山口組執行部に属する直系組織のナンバー2が一堂に会した若頭会だった。スーツ姿ではなく一様にラフな服装だったが、建物内へと歩を進める表情は険しかった。最後に弘道会の野内正博若頭が到着し、会合がスタートしたのである。

 若頭会は以前から定期的に開催されていたが、平成29年に大原宏延総本部長(初代大原組組長)が亡くなって以降、執行部メンバーの各拠点において、持ち回りで行われるようになったという。しかし、特定抗争指定によって警戒区域が定められ、愛知県名古屋市の弘道会、大阪市の三代目一会(野村孝会長)、兵庫県姫路市の二代目竹中組(安東美樹組長)では開催できなくなっていた。

「区域内の最高幹部たちは、長距離を移動することになり、少なからずリスクが生じる。特に弘道会の野内若頭は分裂後、何かと矢面に立ってきた“抗争のキーマン”の一人で、山健組・與若頭への刺傷事件では自身が率いる野内組傘下から、実行犯を出した。本拠を置く岐阜市内や名古屋市内では規制が掛かるが、区域外では身辺警護を固めているはずだ」(関東の組織関係者)

 実際、会合当日は野内若頭のみがガード車両を従えていたのである。

 会合自体は約40分で終了し、若頭たちは土産物を手に引き揚げていった。しかし、組織運営を担う直系組織の最高幹部が集結したとなれば、分裂問題に関する話し合いが行われたのは明らかだった。

「髙山若頭の出所前後で、六代目山口組は怒濤の攻勢を仕掛けたため、分裂終結に向けて急いでいるものと思っていた。しかし、特定抗争指定が決定してからは、一転して沈黙を続けており、長期戦を覚悟で臨む姿勢なのではないか。警戒区域外で事件を起こせば、その地域も指定されかねず、次の一撃で終わらせる方針なのかもしれん。守りを固める中でチャンスをうかがっているはずだ。直接的な内容ではないにしろ、執行部の若頭会では連携とともに、何らかの意思確認が行われたのだろう」(同)

 内部の団結強化はもちろん、3月18日には友好団体である二代目親和会・𠮷良博文会長(高松)の63歳の誕生祝いに、六代目山口組の最高幹部らが駆け付け、より結束を強めた。親和会本部前で溝渕毅会長代行兼理事長らが待ち構える中、誕生祝いとして司六代目から贈られた紅白の巨大な胡蝶蘭が運び入れられた。

 その後、𠮷良会長が玄関前に姿を現すと、最高幹部や組員が整列して出迎えの態勢が整えられ、5台もの車両が到着。六代目山口組の中四国・阪神ブロック長である安東若頭補佐、加藤徹次幹部(六代目豪友会会長=高知)、篠原重則幹部(二代目若林組組長=香川)、小林良法・三代目心腹会会長(徳島)、慶弔委員の野元信孝・三代目岸本組組長(兵庫神戸)が降り立ち、𠮷良会長らと挨拶を交わしながら本部2階応接間へと案内されたのである。

「こうした誕生祝いは、司六代目の『親戚・友好団体とは身内同然に付き合うように』との方針に基づいて始まったんや。通常は当該ブロックの最高幹部と直参2、3人が祝いに行くんやが、今回のように最高幹部を含む5人が訪れたのは、おそらく過去最多やで。四国地方で唯一の独立組織である親和会との友好関係を、六代目山口組が重視しとるいうことやないか」(ベテラン記者)

 さらに、六代目山口組は3月20日、恒例の「彼岸の墓参」を行った。特定抗争指定を受けて以降では、初めての彼岸参りとなったが、すでに警戒区域内にある墓所では命日墓参が実施されてきた。区域内では5人以上の集結が取り締まりの対象になるため、前回と同様、当日も4人で行われたのだ。

 山口組の創始者である山口春吉初代と、その実子の山口登二代目が眠る神戸市内の霊園では、慶弔委員の田堀寬・二代目名神会会長(愛知)が組員3人と準備を整え、二代目時代の大幹部らの墓所にも手を合わせて冥福を祈った。

 一方、一和会ヒットマンの凶弾に倒れ、非業の死を遂げた竹中正久四代目が眠る姫路市内の墓所には、竹中組の最高幹部が訪れ、早朝から1人で墓参準備を進めていた。兵庫県警の捜査員が警戒のため集まる中、午前8時半前になって安東若頭補佐が到着。静かに祈りを捧げていた。

 その後、竹中組の最高幹部らが順番に墓参を行ったが、改めて規制への対策がうかがえたという。

「時間差で2〜3人ずつが参ったそうや。間隔もあけんと、警察から『同一時間帯に5人以上集まった』と拡大解釈されて、検挙される可能性もあるようで、墓参にもリスクが付きまとっとるのが現状や」(地元記者)

 また、田岡一雄三代目が眠る神戸市内の墓所には供花こそなかったが、遺族が建立した巨大な勾玉の碑のそばで紅い椿が咲き誇り、分裂抗争の行方を見守っているかのようだった。

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