第4話は、ミハンが新たに危険人物として、“いのちの相談員”としてNPO法人に在籍する杉原佳代(木野花)を割り出す。佳代は10年前に起きた『大森山無差別殺傷事件』の被害者家族だったが、井沢(沢村一樹)らの捜査により、佳代のシェアハウスで長い間暮らしていた保育士の佐藤奈々(木竜麻生)が、3か月前に出ていったことが明らかに。しかし実は奈々、無差別殺傷事件の犯人の妹で、捜査員たちは佳代が加害者家族に復讐しているのではと考え――というストーリーになっていた。
加害者家族にも焦点を置いた難しいテーマとなっていたが、放送後、視聴者からは絶賛の声が集まっていた。
「本作で描かれたのは、家族が起こした事件に悩む加害者家族と、被害者家族という構図。加害者家族である奈々から『死んでお詫びします』という連絡を受けた佳代が『どう生きたらいいのか分からなくなるのは、加害者家族も被害者家族も一緒』と引き止め、シェアハウスで支え合うようになるものの、罪悪感を抱え続けた奈々が結局シェアハウスを出ていってしまったというストーリーとなっていました。一筋縄ではいかない双方の想いを丁寧に描いていた本作に、視聴者からは『これは良作』『考えさせられた』という声が殺到。佳代の奈々に対する『あなたが来て私が救われました』というセリフにも感動した視聴者が多かったようです」(ドラマライター)
加害者家族と言えば、今期では日曜ドラマ『テセウスの船』(TBS系)や『知らなくていいコト』(日本テレビ系)でも描かれているが――。
「『テセウスの船』は、自身が生まれる前に大量殺人を犯したとされる父を持つ主人公(竹内涼真)がタイムスリップをするストーリー。加害者家族の苦労や葛藤も描かれるものの、メインは事件そのものを阻止することで、『絶対零度』とはまた異なった視点を持っています。また、『知らなくてコト』は最近になり、自身の父が無差別殺人犯と知った週刊誌記者の主人公(吉高由里子)の環境や心境の変化が描かれいるため、加害者家族と被害者家族の交流が描かれた『絶対零度』とは異なります。2作と被ったテーマとなってしまったものの、加害者家族を許そうとした被害者家族と、ネットから追いかけられ続け、疲弊した加害者家族が交わるという視点で描いた本作に、視聴者からは『テーマ被ってるけど、1話でここまで描いてすごいな』『絶対零度が一番丁寧かも知れない』といった声が寄せられていました」(同)
今後も丁寧な描き方で、2ケタ視聴率復活なるだろうかーー。