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LiLiCoオススメ「肉食シネマ」 なくてはならない天気予報の第一歩『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』

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提供:週刊実話

 イントゥ・ザ・スカイ…戦闘機が派手に飛び交うアクション映画かと思いきや、サブタイトルは“気球で未来を変えたふたり”。やはり、こういう時は日本語がホッとします。戦闘機ではなく、とてもステキな気球が登場する作品です。

 1862年、勇気あるふたりの行動のおかげで今、私たちはだいぶ先の天気まで知ることができ、いろいろ助かっています。お出掛けだけではなく、農作物も天気が分かれば守れますし、船も海に出られます。

 しかし、その第一歩が、まさかの気球の活躍だったとは驚き。地味な映画かなぁ〜と思ったら大間違い! さまざまな困難に立ち向かい、人間が100%操縦できない気球だからこそ、とてもリスクが大きいことを知らされます。

 スウェーデンでは夏になれば気球祭りもありますし、飛んでいるのはさほど珍しくありません。2年前、取材でスウェーデンへ帰った時、気球に乗る企画があったのですが、“人生初の気球!”とワクワクしていたら「風の向きがよくないから中止」と言われ断念。後日、番組の若いADが、「おー! スゲー! ヤベー!」と若者らしい表現で、私が夢見ていた経験をしていました。

 そのことが印象深くて、今回の気球の旅に私は釘付け。しかも、ただの“気球が大変”という物語ではなく、過去の悲しみとトラウマに勝たないといけない人間ドラマだったりもします。

 高所での酸素や気温の変化は現在なら知られていますが、当時は荷物が重すぎてしまうと気球が飛ばないために、コートなどで対応しようとする。また、旅に出るふたりは、堅物の気象学者と自由奔放な気球操縦士で正反対の性格。それだけに、意見のぶつかり合いにハラハラさせられます。

 気象学者には『レ・ミゼラブル』『ファンタスティック・ビースト』『リリーのすべて』のエディ・レッドメイン。そして自由奔放に生きているように見える操縦士にはフェリシティ・ジョーンズ。彼女は『ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー』などに出演し、ふたりは以前『博士と彼女のセオリー』でも共演。そして今回、全く違う関係性ではありますが、強い絆で結ばれています。

 この“天気予報”の始まりだけでなく、どんなジャンルでも一番最初に頑張った方たちがいるから、今の私たちがいる。まだ2020年は始まったばかり。偉業を成し遂げたふたりの勇気ある姿からパワーをもらってね。

画像提供元:(c)2019 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.
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■イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり
監督/トム・ハーパー 出演/フェリシティ・ジョーンズ、エディ・レッドメイン、ヒメーシュ・パテル、トム・コートネイ 配給/ギャガ 1月17日(金)全国ロードショー。
■気象学者のジェームズ(エディ・レッドメイン)は、学界からは荒唐無稽とバカにされ、調査飛行の資金も集められずにいた。それでも諦めきれないジェームズは、気球操縦士のアメリア(フェリシティ・ジョーンズ)に「空に連れていってほしい」と頼み込む。2年前に夫を亡くしてから、生きる気力さえ失っていたアメリアだが、悲しみから立ち直るために飛行を決意。高度の世界記録に挑戦することになるが…。

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LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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