こんな見方が、NHK関係者の間で出ている。
『ガラスの家』は9月3日の初回こそ10.1%(関東地区)だったが、その後10%割れを続け、2回が8.8%、3回が7.1%と低迷。このリポートの直近7回目は8.5%、平均で8.3%とふるわない。
同ドラマを手掛ける大石静氏も、前回ヒットさせた同系の鈴木京香・長谷川博己『セカンドバージン』のようにはいかないようだ。
「最大の要因は、井川の脱ぎ惜しみですね。初回に背中を披露し、7回目でキスをしたぐらい。もっと柔肌をさらすだろうと見られていただけに、ファンを裏切ったも同然。『セカンドバージン』はラスト2回で京香がベッドシーンで脱ぎまくり二けた台に持ってきた。だが、井川はそこまでやらないでしょう」(NHK事情通)
では、ドラマの低迷はなぜ会長人事に影響するのか。
それは、NHKがいま進めている'12年度からの受信料値下げによる“三カ年計画”と関係している。
減収予想額が810億円のため『プロジェクト810』とも呼ばれているが、これは'12年度が130億円、'13年度が270億円、'14年度が410億円の増収分で補って行こうという計画である。
「ちょうど井川は、受信料収集係がもっともターゲットにしている20代から40代男性が好む女優。彼女の主演ドラマの話題を持ち出しながら、契約率を増やすという狙いでした。来年1月には、原田知世がセクシーシーンを見せると噂される銀行が舞台の『紙の月』が、同じ火曜10時枠で放送されますが、これも同じような役割のドラマです」(テレビ誌編集者)
松本正之会長が井川ドラマの視聴率を気にかけるのは、任期が来年1月で切れ、続投を表明しているからだ。
民間から松本会長を入れて二代(前会長でアサヒビール出身の福地茂雄氏も含む)続いており、局内からは生え抜きを望む声が強くなっている。
松本会長が次もやるためには、売り上げや利益などを予算通りに達成しないといけない。現時点ではやや劣勢だ。
そのため、『ガラスの家』をどうしても『セカンドバージン』程度にヒットさせたかったはず。いまのままでは、生え抜き派にそのポストを奪われそうで内心焦っている?
(編集長・黒川誠一)