ダートGI(交流含む)4勝を誇る西の横綱ヴァーミリアンに対し、自身は盛岡の交流GI・南部杯2着が最高。さらに、昨年のJCダートでは1秒(5着)と決定的な差をつけられているが、陣営は大物食いに虎視たんたんだ。
というのも、今回の舞台は1600m。JCダートの通過順((11)(6)(4)(4)番手)が示すように、2000m以上では“緩ペース”に耐えられず、どうしても前半に脚を使ってしまうが、前走・根岸S(1着)は(11)(8)番手。ペースが速い1400〜1600mではギリギリまで脚をためられる。事実、ダ1700m以上は(5)(1)(8)(5)(6)(1)(1)(2)着とムラがあるのに対し、1400〜1600mに限れば、(1)(2)(2)(1)(1)(3)(1)(1)(1)着とほぼ完ぺきだ。
「GIの千六だったらもっと脚をためやすくなるから、今回が一番いい条件だね。前走でもあのひどい馬場で弾けてくれたんだから、この距離なら本当に安定して走れる」と、久保田師も“この条件なら”の気持は大きい。
前走後は角馬場での運動にとどめ、時計を出したのは先週の金曜日(15日)からだが、8kg減だった前走の時点でほぼ体は仕上がっている。直前の1本で態勢は十分整うだろう。
「ここにきて能力にようやく体力が追いついてきた感じ。これ以上はやる必要はない。週末に速いところをやるだけでOKでしょう」
ドラゴンファイヤー、シルクビッグタイムなどダートの新星を次々に送り込む久保田厩舎に、念願のGIタイトルがいよいよ加わりそうな勢いだ。