CLOSE
トップ > 社会 > 調布小型機墜落事故で疑問視される管制ナシ飛行場の危うさ

調布小型機墜落事故で疑問視される管制ナシ飛行場の危うさ

 7月26日午前11時ごろ、東京都調布市の住宅密集地に小型飛行機が墜落。民家に突っ込んだ機体と、周辺の住宅は瞬く間に火の海に包まれた。 「住宅9棟、計220平方メートルが焼け、小型機に乗っていた男性5人のうち2人と、民家にいた女性の計3人が死亡。小型機の残りの3人と、住民女性2人がけがを負い病院に搬送されました。警視庁は業務上過失致死傷容疑で小型機の整備・管理会社『日本エアロテック』から事情を聴取し、詳しい事故原因を調べています」(全国紙社会部記者) この小型機は、調布と伊豆大島を日帰りで往復する“事実上の遊覧飛行”予定だった疑いも持たれている。 「調布飛行場では遊覧飛行は禁止されていますが、同機が東京都に提出していた飛行計画の目的は、路線や空港に関し熟練上達するために行う“慣熟飛行”目的だった。そのため、飛行計画が提出された経緯も注目されています」(同) 航空評論家の青木謙知氏が言う。 「全国には、埼玉県にある民間の『桶川飛行場』のように遊覧飛行を売りにしているところもあります。飛行場の管理は国土交通省と地方自治体が行うわけですが、何を売りにするかは事業者によるため、今回の場合のように慣熟飛行が目的と記されていれば認めざるを得ないのです」 調布飛行場は住宅街と隣接しているだけに、以前から危険性が指摘され、トラブルも絶えなかったという。 「1980年には、小型機が航空測量のため離陸後、近隣の市立中の校庭に墜落。搭乗していた機長と撮影係の2人が死亡している。2005年10月にも、西東京市の都立高のグラウンドに不時着し、3人が重軽傷。昨年10月には飛行場内で胴体着陸する事故も発生しています」(前出・記者) さらに住民を不安がらせているのは、同飛行場が“管制無し”であることだ。 「管制が廃止になったのは'06年。理由が国の経費削減だったため、当時は地元で猛烈な反発がありました。以後は、目視で確認して飛行する“有視界飛行方式”をとっている。気象情報などは都が委託している財団法人が提供していますが、滑走路も800メートルと非常に短い。そのため、今回の事故を受け、空港の有り方自体を見直す声が再度噴出することは間違いありません」(航空専門誌記者) 徹底的な原因究明が求められる。

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグいま話題のキーワードはこちら!