search
とじる
トップ > 社会 > きょう深夜(3日未明)2016年夏季五輪開催都市決定、東京に“神風”が吹く

きょう深夜(3日未明)2016年夏季五輪開催都市決定、東京に“神風”が吹く

 2016年夏季五輪開催都市はいよいよ日本時間3日午前1時半、決まる。国際オリンピック委員会(IOC)総会が開かれる現地コペンハーゲンからは、オバマ大統領の急転出席で意気上がるシカゴ(米国)と、南米初開催をうたってラテン系でノリノリのリオデジャネイロ(ブラジル)のリードが伝えられているが、土壇場で東京に“神風”が吹く気配が漂ってきた。ウルトラ大逆転のキーワードは「大岡越前裁き」。

 「昨年6月の第一次選考をトップで通過したのはまぎれもなく東京。あれから1年、五輪を開催するにあたって目立った得点を挙げた都市は東京を含めてない。メディアに投票権があるわけじゃないし、ゲストの人気投票でもない。そこから導き出される結論は東京の順当勝ちだ」と五輪取材に精通したジャーナリストは予測する。
 しかし、そう簡単には納得できない。石原慎太郎都知事が「先が読めない」と再三述べているように、選挙システムが変わっているからだ。投票権を持つIOC委員は2日の立候補各都市の最終プレゼンテーションを受け、3日未明から過半数票を獲得する都市が出るまで投票を繰り返す。各回ごとに最低得票数の都市が脱落するのがミソ。落選都市に投じた委員の票が次はどこに向かうかが勝敗を左右する。

 ところが前出のジャーナリストは「ほとんどのIOC委員は自覚と誇りを持っている。現職のロゲ会長が援護射撃しているといわれるリオ、前IOC会長のサマランチ氏への“恩返し票”が見込めるマドリード(スペイン)の両都市は、第1回投票こそ義理で生き残ることはあっても、開催能力で見劣りするから最終的には消える」という。
 「劣勢を挽回しようと、オバマ氏の知名度を盾にあざとい“後出しジャンケン”を演出したシカゴも印象が悪い。立候補4都市で、IOC委員に強いコネがなく、強力な目玉ゲストも用意できなかった東京だけがカヤの外。しかしそれゆえ、良識あるIOC委員による『三者一両損』の“大岡越前裁き”を逃れてVを決める」(同)
 つまり、本来ならば開催都市選定にあたって考慮されるべきでない要素で突出したものがないため、マイナス裁きを避けられるというのだ。
 招致委関係者は「あり得る展開」とした上で、東京Vのシナリオを次のように話す。
 「第1回投票が最大のヤマ場。ここを乗り切れば最終決戦までいけると踏んでいる。投票先を失った委員の票がどこに向かうかといえば、人情的に南米初開催をさせてあげたいリオか、しっかりまともに五輪運営できる東京のいずれかだろう。9月初めのIOC評価報告書でリオの評価が思いのほか高かったのは、最終対決カードを『東京VSリオ』にしたかったからではないか。東京に辛く、リオには甘くして、両都市の差を縮めておき、最後に情と実のどちらを選ぶかは委員の自主性にまかせるのがいいと考えたのでは? どちらが勝っても負けたほうはその次も立候補すべき。70〜80%の確率で招致できるはずだ」
 立候補各都市がさきごろ開いた個別記者会見では、海外メディアの関心を一手に集めるシカゴとリオが火花を散らした。サッカーの王様・ペレ氏を投入したリオに対し、シカゴはオバマ大統領の露払いで現地入りした五輪陸上金メダリストのマイケル・ジョンソン選手がサイン責めの大人気。東京も五輪メダリストを大量投入し、鳩山首相夫妻が駆け付けたほか、一部ではサプライズゲストもウワサされる。しかし話題は完全に両都市に奪われている。本当に大丈夫なのか?
 「鼻息の荒い馬が勝つとはかぎらない。競馬でいえば最終コーナーを回って鼻差で競っているところ。リオとシカゴは互いにライバル視して息が荒いが、1馬身も抜け出せるはずがない。最後にスッと外側から前へ出られればいい」(前出の招致委関係者)
 現地からの開催都市発表で「東京」がコールされるか、結果はもう間もなく出る。

◎開催都市の決定方法
 現在のIOC委員は106人。ロゲ会長と資格停止中の委員1人を除く104人が投票するが、立候補都市の委員(日本、米国、ブラジルの各2人、スペイン1人)もその都市が落選するまで投票できない。1回目は97人の無記名投票で4分の1超の25票が通過確定ラインとみられている。落選した国の委員は次の投票に加わることができ、過半数を獲得する都市が出るまで最少得票の都市をふるい落として続ける。12年五輪は4回目の最終決選でロンドンが54票を得て、本命視されたパリの50票に勝った。08年五輪は1回目で大阪が最少の6票で落選し、2回目で半数を超える56票を集めた北京に決まった。
 招致委関係者は「過去の招致レースでは、メディアの予想もブックメーカーの賭け率もことごとく外れている。当たったのは北京ぐらい」と東京の存在が薄まったことで逆に自信を深めている。

関連記事


社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ