地下鉄の通気口からの風でスカートがめくれ上がり、下着が丸見えになるシーンで彼女が着用した白のドレスは、女優でありコレクターのデビー・レイノルズが他の思い出の品と一緒に出品したものの1つで、予想金額をはるかに超えて競り落とされた。
アセテート製でプリーツが施されたこのドレスは、ウィリアム・トラヴィラによってデザインされたものだ。
「マリリンが演じる最も美しい女性を、清潔感があり、ベビーパウダーのようで魅力的な人にするにはどうすればいいかなと思った」と以前にウィリアムは語っていた。
オークションの開幕時、デビーは入札者にジョークで「45年間コレクターだけど、歳はまだ40歳よ」と語っていた。またそう語る彼女の目には涙が溢れていた。
デビーは1971年に20世紀フォックスからマリリンの衣装を全て購入した際、このドレスを手に入れていた。
出来るだけずっとこのドレスを所有していたかったデビーだったが、コレクションの管理費で借金が増え続け、全てのコレクションを展示する予定だった博物館の計画もとん挫したことで今回のオークション出品に至った。
他にもエリザベス・テイラーが1944年の映画『緑園の天使』で着用した競技用の衣装が6万ドル(約480万円)、『クレオパトラ』の髪飾りとジュディ・ガーランドが『オズの魔法使い』のスクリーンテストで着用したドレス、ルビー色の靴がまとめて175万ドル(約1億4000万円)で競り落とされた。
チャーリー・チャップリンが『チャップリンの失恋』でかぶっていた山高帽は13万5000ドル(約1100万円)で落札されている。
大半の購入者の身元は明らかになっていないが、複数はサウジアラビアと日本を拠点にした人物だと言われている。