昨年のダービー2着馬がようやく本物になってきた。前走の関屋記念を快勝、1年4カ月ぶりのVを2度目の重賞制覇で飾ったスマイルジャックが、女王撃破に挑む。
「春は折り合い面で難しいところを出したり、不利があったりで不本意な競馬が続いたが、状態はずっと悪くなかった。(三浦)皇成もうまく乗ってくれたし、広い新潟で本来の力を発揮してくれたね」と前走を振り返る芝崎助手。「GIIで相手がそろうが、能力はヒケを取らないと思っている。ここでいい競馬をしてくれないと、先の楽しみがなくなるからね」と重賞V2に意欲を燃やしている。
この中間も放牧には出されず、自厩舎で調整が続けられていた。1週前の追い切りは三浦騎手を背にWコースで行われ、6F82秒4→66秒7→38秒8→13秒0(一杯)をマーク。内のボアソルチ(古馬500万)と併入した。
「ケイコに乗るのは初めて。競馬とは違いますね。何度がハミを噛んで掛かりそうになったけど、我慢させることができました。もともとチップの走りは上手じゃないし、外を回ってこの時計なら申し分ないと思います」と三浦騎手が言えば、見守った芝崎助手も「夏場は軽めの調教しかやってこなかったから、力が余っていたんだろう。ちょうどいいガス抜きになったんじゃないかな。これで体も絞れてくるだろうし、直前の1本でできあがるはず」と順調な仕上がりを強調していた。
ウオッカを筆頭に強力メンバーがそろったが、東京コースは昨年のダービーでディープスカイと0秒2差の接戦を演じた舞台。「右トモが甘いので左回りがベスト。距離が延びるのも問題ない。古馬になってスケールアップしているし、前走を見ても皇成とは手が合うみたい。この相手にどんな競馬をしてくれるか、不安よりも期待の方が大きい」と同助手。大役を任された三浦騎手も「折り合いはボク次第。イギリスへ行って成長できたと思うし、それをファンの皆さんにお見せしたい」と腕を撫していた。
ここで世代交代を果たせば、盾取りが一気に現実味を帯びてくる。