五十嵐は先行して末甘いが、まくりは強烈そのもの。5月の千葉では神山拓也(栃木)の先行をまくってS級初優勝。久留米FI特選では村上義弘(京都)の先行を11秒3でまくってマーク村本大輔(静岡)が差せなかったほど、まくり作戦のときの末脚はしっかりしている。小松島GIIIの二次予選でもまくりを決め、別府GIII準決Bではまくって稲村成浩(群馬)も差せなかった。GIII優勝に乗って気合もいい。
永井、佐藤の戦歴には及ばないが、彼らが下手に流すと中団からのまくりが飛んでくる。400バンクで11秒2くらいのまくりタイムが出せるのだから侮れない存在だ。
吉岡は今の成績ではとても狙いにくいが、3番手からのイン強襲、中割りの鋭さは、定評がある。追い込み選手は展開如何だし、ましてラインを組んで走る時には先行次第で苦しい展開にもなる。今回はおそらく人気にはならないから気楽に走ってくるだろう。
6月の小田原GIII二次予選では浅井康太(三重)が神山雄一郎(栃木)を抑えたときに3着に入り、3連単は6万9570円の大穴になった。このときは4番車だった。特に468でも侮れないタイプでラインの3番手をすんなり回ると直線で伸びて頭からの狙いが出てくる。7、8月の不調は忘れて狙ってみたいものだ。昨年の向日町共同通信社杯で初日、豊田知之(岡山)マークからゴールで交わした脚が、青森で戻ってくると期待している。
地元GIIIで張り切っているのは高谷だろう。先行意欲もまくりの鋭さも3年目になって威力が出てきた。5月の青森では(1)(1)(1)の3連勝。嬉しい地元S級優勝を果たしたが、決勝では差しの良い同県の先輩小橋秀幸が交わせなかった。6月青森も補充で2日目から参戦して(1)(1)と2勝している。2日間とも加藤忍(秋田)を引いて2着をプレゼントしている。
S2だけに一次予選からになるが、二次予選での同型との組み合わせが問題。同期との戦いにはファイトを燃やしてくる。ここを切り抜ければ今回は目標の高谷雅彦も出場する。同じレースなら、どこからでも先輩を引いて先行するだろう。地脚の高谷雅彦とダッシュの敏史。つぶす相手はどうなるかいまから楽しみ。うまくまくりの展開に持ち込めば、両者の表裏も狙い目になってくる。地元は鬼より強い雅彦の好ガードも見られるだろう。