「デビュー時から、沙也加は『なんとか周囲の期待に応えなくては』と過剰に意気込み、それが大きなプレッシャーになってしまった。芸能活動を休止した時期は自分を見つめ直すいい時間になったはず」(レコード会社関係者)
聖子と俳優の神田正輝(58)の長女として幼いころから注目された沙也加は、アーティスト名・SAYAKAとして2001年に芸能界デビューした。
「いきなりグリコのCMに抜てきされてデビュー。母親譲りの歌声を披露し、大手レコード会社入りした。02年のデビュー曲『ever since』はいきなりドラマの主題歌に起用され、03年には映画『ドラゴンヘッド』のヒロインに抜擢された」(同)
まさに母の“七光り”は絶大で、順調にステップアップしたSAYAKAだったが、なかなか周囲の期待にこたえられなかった。
「デビューシングルは12万枚売れたが、その後3枚のシングルの売り上げは、2万枚、1万枚、5000枚。05年のファーストアルバムも8000枚しか売れず、方向性をめぐって聖子と対立。俳優やミュージシャンとの交際にも反対され、精神的に落ち込み、半年ほど芸能活動を休止した」(同)
活動復帰後は、芸名をSAYAKAから本名の神田沙也加に戻し、それまでとは違う方向に自分の可能性を求めた。
「ミュージカルや舞台での女優活動に精力的に取り組むようになった。もともと歌唱力があり声量もあるだけに、共演した大地真央からもお墨付きをもらうほど舞台向き。昨年は中学生の時に見てあこがれたミュージカル『レ・ミゼラブル』のオーディションを受け、見事に役を射止めた」(演劇関係者)
沙也加は一部のインタビューで芸能活動休止中の心境について、「一度きちんと自分と対話したかったのだと思う」と吐露したが、「対話」の結果が舞台女優の道だった。
「歌手というジャンルで聖子はバリバリの現役だからどうしても比べられてしまう。ところが、舞台だと聖子と比較されることはないから、自分の色を出して息の長い女優になることができる。デビュー時から芸能界を見てきて、自分なりに出した結論だった」(同)
母・聖子と違う道を選んだことは正解だったようだ。