“マンボウ最弱伝説”をご存じだろうか? 「寄生虫のストレスで死ぬ」「太陽光に当たると死ぬ」など、マンボウはとにかく、ちょっとしたことですぐに死ぬ生き物といわれている。
しかし、マンボウはそんなに弱くない生き物である。ただちょっと皮膚が弱く、人が強く触ると痕が付くのだが、皮膚そのものはとても分厚く、皮下には硬い軟骨の層があるため、ライフルの弾すら簡単には通さない。さらに自身の体から治癒能力を高める成分を出し、傷の治りも早い。そんなこともあってか、シャチやサメからも捕食されることもなく、あれだけ悠々と泳いでいられるのである。
ただ、成体になるマンボウは非常に少なく、3億個の卵を産卵しても大人になるのは、たった数匹のみ。成体になれば強いのだが、それまでが弱小の悲しい魚である。