国民アニメ『サザエさん』(同)から20年後が描かれた本作だが、現代らしい悩みを抱える磯野家の家族の笑顔を取り戻そうと、サザエさんが盆踊り大会への参加を呼び掛け、奮闘するというストーリー。主役のサザエさんを天海祐希が務めたほか、夫・マスオを西島秀俊、磯野家の長男・カツオを濱田岳、長女・ワカメを松岡茉優、フグタ家の長男・タラオを成田凌、妹のヒトデを桜田ひより、サザエの父・波平を伊武雅刀、母・フネを市毛良枝が演じた。
現代らしい悩みを抱えた『サザエさん』の登場人物たちが描かれ、「新鮮!」「ドタバタじゃないこの感じもよかった」という声が聞かれたが、一方では苦言も集まってしまった。
「設定は現代に置き換えられていたものの、磯野家中心は昭和の雰囲気が残ったまま。そのため、『「ALWAYS 三丁目の夕日」の雰囲気を再現したかったっぽい』『みんなの悩みは現代的なのに家だけ時が止まってるから変な感じ』といったツッコミも多く聞かれました。また、アニメの明るさに比べて、全員が思い悩んでいるため、雰囲気も暗く、笑いどころはほぼなし。『登場人物だけ同じ設定の全く別作品』という厳しい声も聞かれました」(ドラマライター)
そんな中、もっとも注目が集まったのは、ある意外な個所だったという。
「実は放送中、アニメ版とスポンサーがコラボしたCMが多数流されました。味の素、西松屋、NISSANのほか、すべてのスポンサーのCMが特別にアニメCMで流されましたが、もっとも注目が集まったのは、本物のCMを模して制作された男性陣の『アタックゼロ』と、サザエとマスオによる『どん兵衛』のCM。特に『どん兵衛』のCMでは、実際は吉岡里帆が演じているどんぎつねにサザエがなりきり、耳としっぽを付けてやりとりする場面があり、視聴者からは『CM面白すぎる!』『むしろCMの方がスペシャル感あった!』といった声が殺到。ドラマよりも、CMの方が盛り上がるという稀有な事態となっています」(同)
スポンサー的には成功だったドラマ『サザエさん』。内容が成功だったとは言い難いかもしれない――。