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「渋井哲也の気ままに朝帰り」ボッタクリは社会勉強か?

 ボッタクリは社会勉強か? 夜の街で遊んでいると、たまにはボッタクリに会うことがあります。

 何年前になるのでしょうか、私が「お見合いパブ」に行ったときののことです。「お見合いパブ」というのは、見知らぬ男女が出会うことを目的にしている「パブ」です。女性は無料で入ることができまずが、男性は有料になっています。

 料金システムは店によって異なります。最初は、男女それぞれが専用の座席に座っています。気に入った女性が見つかると、男性が申し込むのです。女性は、選択権があり、断ることもできます。

 そのとき、私が指名した女性は、「A大学の学生」を名乗りました。A大学はお嬢様学校であり、伝統校です。学生証も見せてもらいました。そのため、相手の素性が明らかになった感覚がありましたので、気を許してしまいました。話が弾んだのか、二人で外出しよう、ということになりました。

 「でも、2人はちょっと怖いなあ、と思うんです。もう一人、友達と来ているので2人で言ってもいいですか?」と聞いてきた。奢ってもらう人を捜していたのか、と思った私は、当人と友達を名乗る女性2人ともかわいく見えたので、「一緒でいいよ」と言ったのです。

 すると、「雑誌で見たお店があるので、そこでもいいですか?」と聞いてきました。(A大学のお嬢様がいったいどんな店を知っているんだろう)そう思った私は、その女性の提案に同意をしたのです。すると、待ち中のビル3階にあるバーでした。お客さんもいて、和気あいあいな感じがしています。

 メニューを見てみると、「ビール一杯1000円」とあったので、ちょっと高い目だなと思いましたが、女性が知っている店なのだから、安心して飲めるのだろうと思っていました。カラオケでも、女性たちはアニソンを歌うなど、オタクぶりを発揮していました。

 いざ会計となった時に、店側の人から合計額を聞いたときに、あぜんとしました。
なんと合計は「10万円」を超えていたのです。「え? こんなにいくはずがないでしょ?」何かの間違いだと思った私は、店側に説明を求めた。店側は「チャージ2万5000円」を主張したのです。たしかに、店のチャージ代を聞いていなかった私は、「あ、やられた」と思ったのです。女性も申し訳なさそうにしていました。そして、それぞれ「高額になってしまったから」といいって、一人5000円を出してきました。交渉しても安くなるはずもなく、チャージを聞かない私が悪いということになりました。いまでは「ボッタクリ禁止条例」があるため、指定された地域ではチャージ代もメニューに表示しなければならないのです。しかし、この時は、まだ条例が出来ていません。女性二人も、「ほんと、申し訳ない。ちょっとはあとで返せるから」といって、ケータイ番号を聞き、その日は別れました。

 翌日になって、彼女たちのケータイに電話をしました。しかし、<この番号は現在、使われておりません>とアナウンスがされます。教えてもらった時に電話にかけて確認していたはずですが、二度とかかることはありませんでした。「やられた。女性二人も店側とグルだったのか!!」私はボッタクリは詐欺だと思って、警察に行きました。しかし、条例なき時代だったので、警官にも、「歌舞伎町の店では、一杯2〜3万しても仕方がないんだよ」と言われただけでした。

 ボッタクリの被害も社会勉強のうちだ、とよく言われます。しかし、10数万円も出して、社会勉強をするのなら、もっと他の手段で勉強したいと思ったのでした。

<プロフィール>
渋井哲也(しぶい てつや)フリーライター。ノンフィクション作家。栃木県生まれ。若者の生きづらさ(自殺、自傷、依存など)をテーマに取材するほか、ケータイ・ネット利用、教育、サブカルチャー、性、風俗、キャバクラなどに関心を持つ。近刊に「実録・闇サイト事件簿」(幻冬舎新書)や「解決!学校クレーム “理不尽”保護者の実態と対応実践」(河出書房新社)。他に、「明日、自殺しませんか 男女7人ネット心中」(幻冬舎文庫)、「ウェブ恋愛」(ちくま新書)、「学校裏サイト」(晋遊舎新書)など。

【記事提供】キャフー http://www.kyahoo.jp/

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