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脳梗塞の危険もある 甘く見ていると怖〜い「首と肩の凝り」(1)

 “痛い、硬い、動かない”−−首や肩凝りを表現するとこんな感じになるが、専門家は、これらを「血行が悪くなると起こる筋肉痛」と言う。これから本格的な寒さを迎えると、交感神経の緊張を助長させ、頭痛やめまい、不眠などの症状が起きる。特に首周辺の血液循環が悪くなると、脳への酸素供給も低下するため、長期間放っておくと、単なる“凝り”に留まらず、「自律神経失調症」「胃腸障害」の他、「脳梗塞」の危険性も高まることがあり、決して甘く見てはいけない症状なのだ。

 首や肩凝りの原因は、一般的に運動不足や「姿勢が悪い」「目の疲れ」などによって、筋肉が硬くなり血液の循環が悪くなるため起こるといわれている。血液の流れが悪いとなると、筋肉に酸素も行きにくく、老廃物が溜まりやすくなるため、筋肉が硬くなり、正常な伸び縮みがしにくくなる。これが凝りを増幅させてしまう悪循環を生む。
 中でも首凝りの場合、首周辺の血液だけではなく、身体全体の血液の循環が関係している。とくに首周辺の血管(椎骨動脈)は、脳に血液を送る重要な器官であるため、血液循環が悪くなると脳への酸素供給が不足がちになる。

 そうなると首凝りにとどまらず、頭痛、めまい、不眠、イライラなど自律神経失調症を引き起こす。他にも、過敏性腸症候群などの胃腸障害や血圧の不安定など、いくつもの症状がともない、放っておくと命に関わる病気に繋がると医療関係者は口を揃える。
 「首には自律神経が集中しています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、心拍数、血圧、呼吸、体温、内臓の動きや目の瞳孔の収縮など、人間の命をコントロールする役目を担っています。そんな重要な首の筋肉が凝り固まって硬くなってしまうと、副交感神経を悪くして、心身にさまざまな不調を引き起こし、まさに万病の元になりますので、しっかりと対処することが大事です」

 都内で神経内科クリニックを開く浦上尚之院長は、こう説明した後、さらにこんな指摘もする。
 「今や現代病ともいわれるうつ病も、精神的なものよりも、むしろ首凝りからくる“頚性新型うつ”が大半を占めています。首の凝りが悪化すると体のあちこちに不調が表れ、それが重症化すると、うつ症が顕著になります。治療法も、大うつ症と違い、心療内科、精神科で出される投薬やカウンセリングではなく、“首凝り”の原因を正さなければ改善できません」

 つまり、頚性新型うつの場合、精神的な治療より首凝りの原因となる血流を悪くする要因、つまり、うつ向いたままの悪い姿勢を正すなど、生活面の改善が必要で、その指導と自らのセルフチェックが重要になってくるというのだ。

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