思わず酒が進み、翌朝「飲みすぎた…」と二日酔いなどに悩んでいる人も多いのではないだろうか?
2018年の芸能界はお酒にまつわるトラブルも非常に多かったわけだが、今から20年ほど前「お酒の飲ませすぎ」という事情にて放送中止になったバラエティー番組が存在している。
1995年3月5日の朝日新聞によると、具体的な番組名は不明だが、フジテレビの「木曜ファミリーランド」で放送される予定のバラエティー番組の収録において、番組に出演していた一般の参加者7名が急性アルコール中毒で救急搬送されるという事件が発生したという。
この番組は「平成の明るく豪快な主婦を集めてゲームをさせる」というコンセプトで企画された素人参加番組で、出演者はリサーチ会社がリストアップした20代〜40代の主婦計60名だった。
問題のゲームは「主婦の酒豪比べ」というもので、60名の中から特にお酒に強いと豪語する10名にビール、ウィスキー、焼酎の水割り、ワインなど自分の好きな酒を選んで飲ませ、3杯目以降は「本当に酔ってないのか」を調べるため、5メートルごとに歩かせ、歩けない場合は失格というルールのゲームを行った。
登場した主婦は酒豪自慢ばかりであったため、平均して7杯前後、中には最高11杯のアルコールを摂取する主婦も登場した。
当初はにこやかに収録が行われたものの、途中で気分が悪くなる人が続出。その結果、10名の参加者のうち7名が急性アルコール中毒となり、病院へ搬送された。
この問題が明るみになった際、フジテレビは「放送を当分見合わせる」と発表。結果、この番組は収録されたもののお蔵入りとなってしまったという。
「一気飲み」や「アルコールハラスメント」が社会問題となりつつある、今となってはとても信じられない話であるが、このような企画が打ち合わせ段階で問題にならなかったとは、90年代のフジテレビのバラエティー番組はそれだけ強気だったということだろう。
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)