この日放送されたのは、人気企画「日本列島お父さんは好きですか?の旅」のスペシャル版。取材対象は有名人ということで、有名人の娘たちに「お父さんは好きですか?」と聞き出し、関係性を探っていくという企画だった。
登場したのは、アルピニストの野口健の娘の絵子さんで、彼女は今、ニュージーランドの学校へ留学中。3か月ほど父親である野口健には会っていないという。
そこで、番組では絵子さんが極秘帰国していた事を知らない野口健にドッキリを仕掛けようと、沖縄県で番組名物の「ダーツの旅」の偽ロケ企画を敢行。そして、街頭インタビュー中にて絵子さんがドッキリの仕掛け人として現れ、改めて「日本列島お父さんは好きですか?の旅」企画がスタートするという構成だった。
ドッキリを行うため、何人かのインタビューを挟んだ後、野口健は94歳のおばあちゃんへ接触。取材を進める中、ついに仕掛け人である絵子さんが曲がり角から登場し、これには野口健もビックリ。ドッキリは無事に成功となった。
しかし、視聴者の間では、インタビューが中断されてしまったおばあちゃんに注目が集まった。おばあちゃんは目の前で何が起こったのか理解ができず動揺。不安そうな顔を浮かべながら、「(何が起こったのか)あまりわかりませんね」と首をひねるばかりだった。
スタッフと野口親子は驚かせてしまったおばあちゃんにお詫びし、本来の企画である親子二人旅が始まったのだが、この光景を見た視聴者からは、置いてけぼりになってしまったおばちゃんに対する同情の声が相次いだという。
ネットでは「94歳のおばあちゃんがとにかく気の毒だった」「おばあちゃんは一生懸命に応対していたのに無視されて可哀想」「ドッキリはいいと思うけど高齢の人を巻き込むな」といった声が相次いだ。
一応、番組ではおばあちゃんに謝罪するシーンが放送されたのだが、ネットでは「スタッフの配慮が足りてない」「あまりにひどい番組だ」と炎上状態になってしまった。
『笑ってコラえて』は今年で放送23年を迎える国民的番組。しかし、2019年には、明らかにスタッフの落ち度と言えるような炎上事件が相次いで発生しており、俳優の竹内涼真と犬を一緒に旅をさせる企画では、竹内が犬をパン屋に連れ込み食パンを食べさせる模様が放送されたり、人気企画の「長距離バス一期一会の旅」ではディレクターが取材対象者を優柔不断な性格で困惑させたりと、個性の強いディレクターや出演者が招く「ハプニング的」な演出が多くなってきている傾向にあるようだ。
相変わらずの人気番組だが、25周年も近い今、そろそろ原点回帰が必要な時期なのかもしれない。