「開幕3連勝を飾った巨人は、たとえ些細なことでも何か起きたら、ガタガタになる可能性があります。一連の賭博事件で4人目の関与者が発覚し、勝ってもチームの雰囲気は一向によくなりません。先発ローテーション投手は全員20代。エース菅野智之にしてもシーズンを通してフル稼働したことはありません。他球団同様、阪神も補強らしい補強はしていませんが、チームの雰囲気、勝つという意識は今のトラが圧倒的に高い」(球界関係者)
ヘイグ、マテオらの新外国人選手は獲った。しかし、それはマートンや呉昇桓の退団にともなう“止むを得ぬ”の補強であり、むしろ、「日本球界に適応できるか否か」のリスクを背負う。FAで左腕・高橋聡文も獲ったが、阪神が欲していたのは先発タイプである。ドラフトも投手ではなく、外野手の高山俊を1位指名した。アニキこと、金本知憲監督(48)は現状維持か、それ以下でチームを引き継いだと言っていい。
「藤川(球児)に命運を託したんです。金本監督は外部補強に頼っているうちはたとえ優勝しても真の強さではないとし、現有戦力の底上げを目指していました。ですが、藤川とは旧知の仲。『アテにしていない』と言っていましたが、本心は違うのです」(同)
開幕第3戦、その藤川が先発マウンドに立った。勝ち星はつかなかったが、「先発でイケる」と確信できた。
「藤浪晋太郎、能見篤史、岩田稔、メッセンジャーはともかく、阪神には5番手以降の先発が“いない”に等しかった。藤川が5番目を務められるのであれば、戦況は大きく変わってくる」(在阪記者)
開幕カードの先発はメッセンジャー、能見、藤川。藤川が加わったことにより、藤浪を次節まで温存できた。岩田稔も残っている。つまり、今年の阪神は3連敗する可能性が極めて低いのだ。
「第2節に藤浪が先発するということは4月に2度、巨人戦で先発するローテになります(4月5日〜、同26日〜)。ヤクルト戦にも投げることになり、そうなると阪神はエースで『上位叩き』ができる」(同)
開幕カードの中日戦だが、ネット裏には他のセ球団のスコアラーも陣取っていた。彼らが口にしていたのは「変わった」。それはチームの雰囲気であり、勝利に対する執着心だ。
「開幕スタメンを勝ち取った横田慎太郎はノーヒットでしたが、一塁にヘッドスライディングを見せ、手抜きが多かったメッセンジャーも併殺プレーを成立させようと一塁カバーで全力疾走していました。監督が変わるだけで、選手の気持ちがこんなにも変わるのか、と…」(在京球団スタッフ)