「笑っていいとも!」はタモリが司会を務める冠番組で、SMAPからは中居正広、草なぎ剛、香取慎吾が曜日レギュラーとして出演していた。中居と香取は1994年4月から出演し、中居は特番の際には、司会を務めるなどタモリの片腕的存在として大きな役割を果たしてきた。また、香取がレギュラーとして出演し始めたのは、まだ17歳。多感な時期をタモリと一緒に過ごしてきた過去がある。そして草なぎは、1995年10月からレギュラーとして出演。特にSMAPメンバーの中で、草なぎはタモリを尊敬していた。
SMAPメンバーは、タモリと週1回会うことによって、心の調和を図り、タモリを心の拠り所としていた。全てを受け止めてくれるタモリに対して、中居、草なぎ、香取は絶大な信頼を寄せており、中居は芸能界のイロハをタモリから学び、香取はタモリから個性を最大限に引き出された。そして、草なぎに関しては、タモリの自宅に行くなど、人生の悩みなどを相談する親密な関係を構築していた。
また、木村拓哉、稲垣吾郎も同様で、レギュラーを務めていたSMAPメンバーが欠席した際には、代打要員として2人が出演することもあった。最終回となった「笑っていいとも! グランドフィナーレ」では、SMAPメンバーは「笑っていいとも!」のため、タモリのために「ありがとう」を披露し、感謝の気持ちを込めて歌い上げた。これまで、「笑っていいとも!」、タモリの存在がSMAPの一部を構築してきたといってもいいだろう。
しかし、「笑っていいとも!」終了後から、SMAPの不協和音が徐々に浮き彫りになる。1月にSMAPの「解散&分裂」騒動が浮上。最近では、香取の精神状態もクローズアップされ、ドラマの打ち上げでは「自殺してしまうかも」と口にするほど、不安定な精神状態に陥ってしまった。また、一連の騒動により、SMAPの育ての親であるマネージャー・飯島氏のジャニーズ事務所退社。特に香取は母親のように慕っていたマネージャーとの別れに、相当ショックを受けてしまったようだ。
もし、今も「笑っていいとも!」が続いていたのならば、SMAPメンバーは違う方向性を見出せていたかもしれない。「笑っていいとも!」の最終回で「ありがとう」を歌った時のメンバーの想いは、全員一緒だったのだから…。