同局は13年3月31日にNHKスペシャル「魂の旋律〜音を失った作曲家〜」をはじめ、何度も佐村河内守氏を取り上げてきたため、「なぜ事実と異なる内容を放送したのか」など批判の声が高まっていた。
番組では同局生活・食料番組部の松本浩司部長が、件のNHKスペシャルなどについて番組制作経緯を説明し、調査報告書をNHKの公式サイトに掲載したことを明らかにした。
松本部長は本人が作曲していなかったことを見抜けなかった理由を、「専門家に確認したが『作曲していない』と疑わせる情報はなかった」と説明。佐村河内氏に譜面を書く姿の撮影を依頼し、「神聖なもの」として拒否されたが、詳細な全体構成図を見せられたことなどからスタッフが納得したという。また、聴力については、「障害者手帳などを確認し、人道上の観点からそれ以上の確認はしなかった」と説明した。
同局のホームページに掲載された調査報告書によると、今月10日に佐村河内氏に聞き取り調査を実施。佐村河内氏から音楽経歴や制作過程についてなども「捏造(ねつぞう)があった」と告白されたそうで、ピアノの腕前はほぼ初心者の段階だったことが発覚したというのだ。
「放送された内容や報告書は問題を追及した『週刊文春』(文芸春秋)、同誌でゴーストライターであったことを告白し先月6日に会見した新垣隆氏、今月7日の佐村河内氏の会見で明かされた内容以上のことはなかったが、まんまと騙されるほど佐村河内氏の“手口”が巧妙だったということ。会見で佐村河内氏が報道陣から指摘されたように『稀代のペテン師』だった」(芸能記者)
新垣氏を名誉毀損で提訴するため、2人の弁護士を代理人につけた佐村河内氏だが、逆境が吹き荒れる中、本当に提訴するのだろうか?