いずれも知人男性が連続不審死し、体格が太めという特徴も似ている埼玉の“婚活サギ女”と区別するため、“鳥取サギ女”と呼ばれる女。婚活サギ女との大きな違いは、約2年の付き合いになる“内縁の夫”がいることだ。
“夫”は女と同じ日に別件の詐欺容疑で逮捕されている。2人は周囲に「表向きは夫婦で、戸籍は別々」と関係を明かしていた。アパートの部屋は隣同士で、実質的に同居状態だったというから“事実婚”に近い。女は子供5人と暮らしていたため、定員オーバーで隣に部屋を借りたようだ。
出会いは女の働いていたスナックだった。複数の知人などによると、2人は2007年12月、スナックでホステスと客として知り合い意気投合。翌年8月、男は隣の部屋に引っ越し、スナックを辞めた女と2人で農機具の転売などで生計を立てるようになった。すぐに金銭トラブルを抱えるようになったという。
男はそれ以前、自動車販売会社に勤務。対応が丁寧で感じのいい“トップセールスマン”で通っていたが、女と同居したころから様子が一変。ダメな中年男に成り下がった。
「エリートですてきな男性だったのに」。男から車を購入したことがある女性は、ことし春、久々に会った男が「財布を落としたので金を貸してくれ」と頼むのに首をかしげたという。
リサイクルショップの社長(63)はことし9月、農機具を10万円、冷蔵庫を1万5000円で2人に売ったが、代金の支払いはなく、反対に「パソコンを買ってくれないか」と持ち掛けられた。
女のナニが好感度バツグンだったエリート営業マンを骨抜きにし、転落させたのか? 2人の逮捕以降、アパートには「金を返してもらえない」という人が次々訪れるようになったという。