松崎貴久(82期)は努力を重ねてGIクラスに上ってきた。競輪学校ではわずか1勝。S級に上ったのも昨年1月だったが、立川GIIIで(1)(1)(7)(6)と好成績を挙げて波に乗った。33歳からのS級戦での戦いだ。
去年9月の一宮では3連勝。強烈なまくりと自在性でこれからが勝負の選手だ。地元富山GIIIで2予、準決とまくりで勝ち上がり、決勝は石毛克幸(千葉)にまくられたが立て直し2着。このシリーズ不振だった小嶋敬二の代役を十分に務めた。
同期で笹倉重治の同門という宮越孝治(82期)は平成11年の立川ルーキーチャンピオンを勝っているが、松崎は完全に出遅れた。だが「大器晩成」の松崎は中部ラインの牽引車として成長している。
宮越はデビュー戦の大津びわこでいきなり3連勝。A級でも同年9月には岐阜で3連勝と期待されたが、まだS級の優勝はない。だが、混戦になるとまくり、展開次第では先行もする気迫のレースはファンに評判がいい。松崎の成長が刺激にならないはずはなく、今後の活躍が期待できる。
兄の大(77期)も弟に刺激されて力をつけている。平成15年12月の松阪でS級優勝。ともに師匠は笹倉重治だ。兄弟同士がライバルとあって、さらに上位へ気迫をみせている。
笹倉の息子の笹倉慎也(91期)はまだ22歳。7月大垣FIでA級だが優勝してS級入りの日は近い。父譲りのスプリントは平成15年のインターハイ、JOCカップでスプリント優勝の実績をあげていることからも分かる。地力から言えばSIに上っておかしくない。
7月S2に上った竹沢浩司(90期)とまくり勝負の中田博之(88期)は大庭正紀の弟子だ。
竹沢は先行で目下、脚を作っている最中。27歳と年齢は重ねているが、競輪学校6位の成績から、まずレース慣れすることが先決だろう。
中田は7月からA級に落ちているが、気合のまくり脚は強烈。小嶋敬二の「小嶋道場」でも練習するだけに、勝機をつかめば一変してくるはずだ。
若い弟子を持つとベテランも元気になる。大庭正紀(70期)。若手の指導とともに有賀高士(石川)と練習して差し脚も出てきたし、展開次第でインも入る穴ファン狙い目の選手になった。
この人も35歳すぎてから強くなった。それだけに弟子にもじっくり力をつけさせて将来を見つめさせている。
吉川起也(92期)は現在A2だが、柔道で鍛えた体力はいずれ成績に表れてくるだろう。