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老いも若きも容赦なく襲う『脳卒中』の知っておくべき“前兆現象”(2)

 そもそも脳の血管障害の素因となるのが生活習慣病。とくに危険因子(高血圧症・糖尿病・脂質異常症・心房細動・喫煙・飲酒など)を抱えている人は、自覚と注意が必要だ。
 中でもハイリスク群として、しっかり管理しなければならないのは「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と「メタボリックシンドローム」「慢性腎臓病」などを患っている人といわれる。
 放っておくと、いずれも脳へのダメージを与えかねない。

 また逆に、脳卒中の罹患者もSASと同じように無呼吸の「いびき」をかくことは昔から知られている。専門医によれば、罹患者の70%の人が1時間に10回以上“無呼吸”を起こすなど、SASと同じ症状がみられるという。無呼吸が繰り返されると、動脈血中の酸素が不足し、二酸化炭素が溜まって血液が酸性に傾く。これが不整脈や心筋梗塞、脳梗塞などを起こす危険因子となり、脳卒中にも当然つながる。
 さらに厄介なのは、不整脈の一つ「心房細動」を抱えている人も、一生のうち一度は脳梗塞を起こすといわれることだ。
 心房細動では、心臓が血液をきちんと送り出すことができなくなるため血がよどみ、血栓ができやすい状態になる。とくに高齢者に多く、血圧が急に低くなったり何となくモヤモヤするので検査を受けたら血栓が偶然見つかった、という例もある。

 また、脳卒中は中高年者の病気と思われがちだが、決してそうではない。冒頭部分で、大橋さんや星野さんの例を挙げたが、若い人にも起きている。
 「若年性脳卒中」に明確な定義はないが、おおむね45歳未満で発症した場合を指している。全国18施設での研究(SASSY-JAPAN)によれば、全脳卒中に占める割合が、50歳以下は8.9%、45歳以下では4.2%となっている。
 付け加えておけば、50歳を超えると脳梗塞が6割、脳出血やくも膜下出血が多くなるのも特徴だ。

 脳卒中は、生活習慣病の他に、「まだ若い!」という意識に任せて、急に首をひねる運動や、整体やゴルフ、野球なども引き金となる「脳動脈解離」が原因となる場合もある。よく肩こりで首をボキボキ鳴らし、得意顔の人もいるが、実は危険な仕草と知るべきだ。
 「首の後ろの動脈は大事なところ。ここをむやみに揉み解そうとしたり、衝撃を与えるのは危険。もしズキンズキンと激しく頭が痛む場合は“脳動脈解離”の疑いがあります、早目の対処が必要で、水分をよく摂り、安静にすることが大事です」
 とは医療関係者。

 老若男女問わず、倒れてからでは遅い。予防知識だけでも頭に入れておこう。

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