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「自分は大丈夫」が1番危ない 林葉直子も襲われた「アルコール性肝硬変」の危険信号(2)

 酒を飲み続けると種々の障害を発症する。肝臓に中性脂肪が溜まり、「脂肪肝」となるのもその一つで、その状態を放置すると肝臓の炎症「肝炎」を起こすと同時に、肝細胞が変性して硬くなる「肝硬変」に行きついてしまうわけだ。

 もともとアルコール飲料には、炭水化物(糖分)が含まれることが多い。この炭水化物により、肝臓では中性脂肪が多く作られ、それが処理されずに脂肪肝となる。
 また酒のつまみに揚げ物などの脂肪分の多いものを食べ続けると、脂肪肝になりやすく、酒量が少ない人でも酒の肴で脂肪肝になることが多いのもこうしたケースからだ。つまり唐揚げや天ぷら、さらにピザやチーズなどを多く食べると、少量の酒でも脂肪肝に結びついてしまうのだ。

 一方、「体重にも目配せが大事です」と言うのは、東京社会医療研究センターの片岡泰樹氏だ。
 「肝臓は“沈黙の臓器”といわれるだけに、一旦、病んでしまうと肝細胞を正常に戻すのは難しい。ただ、そうなる前に簡単に判断できる方法があります。短期間のうちに体重が2キロ増えたら、肝臓に中性脂肪が溜まり始めたと考えるべきです。2キロアップは危険。3キロならば赤信号。それでも脂肪肝の状態なら、食生活を見直し体重を落として改善することが可能です」

 また、大学病院の元管理栄養士で料理研究家・林康子氏は「宴席続きで脂肪肝になるのを防ぐといっても、付き合い社会の中でのサラリーマンには難しい作業でしょう」と語り、肝硬変につながる脂肪肝を防ぐ5カ条を次のように挙げた。
 (1)脂肪やアルコールの吸収を植物繊維で抑えるために、食事前に野菜をしっかり食べる。
 (2)肝細胞の再生を促すタウリンを含む食材=イカ刺し、生タコ、貝類、鶏肉など=を積極的に食べる。
 (3)脂っこい料理やチーズなど乳製品はなるべく避ける。
 (4)飲酒の合間にチェイサーで水分補給をする。
 (5)ビタミンCを含む食材=レモンや飲料、サプリメントなど=を宴席の後に摂るようにする。
 「原因が酒と、はっきりしているアルコール性肝障害の治療は、お酒を断つことが第一。軽度の脂肪肝や肝線維症なら、それだけで肝機能は劇的に回復し、肝臓が腫れ、押すと痛みを感じるケースでも、腫れが引くことで痛みも軽減します。アルコール肝障害の多くは、自分で治せる肝臓病です。本人が努力しても治らないことがあるウイルス性肝炎とは、そこが大きく違います」(前出・内村院長)

 “休肝日”や断酒で肝臓の異常を避ける努力をして、まずは、怖い肝硬変になる前の脂肪肝を防ごう。

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