大リーグ挑戦表明後、田沢はマリナーズ、レッドソックスなど複数の球団と交渉。24日のレンジャーズを最後に交渉を打ち切り、今月中にも結論を出す意向を示した。
すでに、一部報道ではレッドソックスに入団する意思を固めたとも報じられ、米国のメジャーリーグ公式サイトでは、レッドソックとの交渉がトップニュースで扱われている。さらに、米スポーツ専門誌のスポーツイラストレイテッドで特集が組まれるなど、米メディアの注目の的。
田沢は日本のプロを経験していないルーキーとしては異例のメジャー契約が提示された。メジャー契約とは大リーグ昇格が前提の契約で、ベンチ入り資格を持つロースター枠、40人への登録が保障される。プロ経験のない日本人選手でこの契約を結んだ選手はいない。さらに専属通訳などを提示されたと見られており、正式契約されれば史上初の快挙だ。
まさにVIP待遇で入団することが濃厚。だが、本当にこのままでメジャーの強打者を相手に通用するのだろうか。
ある大リーグ事情通は「確かに田沢投手は90マイル後半のストレートもいいし、向こうの打者に有効な落ちる球も持っている」と一定の評価を与える。
しかし、不安点もある。大リーグ事情通が続ける。「2、3年はマイナーリーグでしょう。自分がこれまで(活躍した日本人選手)と同じだと思っては…。今年(失敗した日本人投手)の二の舞になる可能性だってあります。そのためにもチェンジしなければいけまません。英語を勉強したり、食生活の面、先輩大リーガーの経験談を聞くとか。今のまま行っちゃうと、危ないんじゃないですかね」
メジャーに行けば、中4日登板や長距離移動など、これまで経験したことのない生活が始まる。まずはメジャー流の“常識”を身に付けなければならないというのだ。
メジャーで成功するためには、意識改革の必要に迫られそうな田沢。ダイヤモンドの原石は輝きを放つのか、それとも、ただの石ころになってしまうのか。