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復帰先発前に出た「松坂大輔の本当の評価」

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松坂大輔

 12球団で、いまだ勝ち星ナシ。まだ4試合しか消化しておらず、ペナントレースは始まったばかりだが、中日ドラゴンズは今年も不振にあえぐ。

 「そんなに悲観的な状況ではない。先発投手の失点が多いのは事実だが、他球団のローテーション投手と比較して、レベルが低いわけではない」(プロ野球解説者)

 開幕投手の小笠原は5失点、ジーも5失点、笠原は自責点「4」。興味深いのは投球回数だ。第4戦に先発した柳以外は6イニングを投げている。「クオリティースタート」ではないのもの、先発投手はある程度のイニングを投げ切っている。打線が上向きになれば勝ちも付くだろう。

 それはともかく、負け試合だったにもかかわらず今年のナゴヤドームがそれなりに盛り上がっていたのが去年と違うところだ。シーズン前の順位予想は「中日が最下位」が多く、案の定連敗スタートとなったのに、だ。

 「松坂ですよ。松坂を観たいと思うファンがこんなにいたなんて、中日フロントも少し驚いています」(球界関係者)

 1月23日のテスト入団以降、松坂はプロ野球ニュースの中心にいた。キャンプ、オープン戦でも一挙手一投足が報じられ、懸念されていた右肩痛の再発もなく、ペナントレースを迎えた。森繁和監督(63)も開幕2節目の巨人3連戦での松坂登板を示唆し(4月3日時点)、ナゴヤドームでの同カードの前売り券は例年以上の勢いで売れているという。

 「松坂が先発すると報じられた5日は特に良い売れ行きを見せています」(前出・同)

 平成の怪物が巨人戦で復活…。中日以外のプロ野球ファンもそんな期待を抱いているのかもしれない。

 しかし、森監督は開幕前、こうも語っていた。「松坂はローテーションには入れない」と。一部メディアの単独インタビューでそう断言したのだが、理由をはっきりとは述べていない。「1カ月に1回とかの登板でもいいんだ」と、言葉を濁している。

 中京地区で活躍するプロ野球解説者の多くは、「短いイニングなら通用する。肩の稼働域も大きくなってきた」と“好意的な評価”をしていたが、別の見方もある。

 松坂は3月14日、古巣西武とのオープン戦に先発登板している。その際、ネット裏にはセ5球団のスコアラーが「最終確認」と称して、松坂の投球を注視していた。

 「球が暴れていた」

 試合後、松坂は自身の投球をそう振り返っていた。3回を投げて奪三振2、失点2。被安打は3、四死球5だった。内容は良くなかったが、「調整」の要素があるオープン戦は結果が全てではない。松坂は5つの四死球を反省し「暴れていた」と評したものの、表情は明るかった。しかし、セ5球団のスコアラーたちの評価は違った。

 「右肘が下がっていたね。上半身と下半身のバランスが悪く、自分の狙ったところに投げられない。西武時代の松坂なら、高めにボールが浮いてもスピードで勝負できたんだけど、それは年齢的に無理。真っすぐを見せ球にして、カーブとチェンジアップで打ち損じを誘う配球だけ」(某スコアラー)

 この時点では、セ5球団は松坂に脅威を感じていなかった。森監督の「1カ月に1回」発言が出たのはその後だ。投手出身で、西武時代に投手コーチを務めていた森監督が、投手の評価を見誤るとは考えにくい。シーズンを通して戦えるまでには復活していないと冷静に判断したのではないだろうか。

 「投げてみなければ(好不調は)分からないというのが正直なところ。でも、これだけは言えます。今の松坂には先発投手の責任イニングを投げ切るだけのスタミナはありません」(前出・プロ野球解説者)

 開幕からの試合を見る限り、巨人打線は好調だ。松坂が登板すればある程度の失点は予想されるが、ヒドい負け方をすれば、「松坂効果」は薄れてしまう。

 「1カ月に1回」の登板でもチケットが完売するのなら、球団としては御の字。もちろん松坂はチームの戦力になりたいと思っているはずだが、初登板の内容次第では二軍のナゴヤ球場の「客寄せ」に成り下がってしまうだろう。

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