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7人に1人が患う七転八倒の激痛 「尿路結石」を回避する食事法(2)

 また前田さんは、尿が濃くならないように1日2リットル以上の水分を摂ることも大事だと言う。さらに結石が溶けやすいように、尿をアルカリ化する海藻や果物、野菜をなるべく採り入れるように心がけることが、結石障害の再発リスクを下げることに繋がると説明する。
 尿路結石に一度なった患者の半数近くは、5年以内に再発しているとされる。その実態は、食事指導と再発率との関係などを調査、研究をしている日本尿路結石症学会などの診察ガイドラインでも記されている。

 結石の再発を防ぐには水分が必要だが、ただ多く摂るだけでは、3年後に7割近くが再発、一方食事指導を受けた人は3年後で2割、8年後でも4割ほどの再発率にとどまっていた。
 水分の摂取について最も効果的なのは夜間で、就寝の前に摂ることが大事とされる。特に寝汗をかくような時期は、水分不足となり、結石が発症しやすくなり、成長もしやすい。また水分を摂ることによって、尿の量が増えるため、発症当初のごく小さな結石だと自然排出されるので、予防にもつながる。
 発症を抑え、再発させないためには水分の適切な摂取と野菜食を含む、カロリー過多にならない食事コントロールが重要になってくるのだ。

 もちろん、再発を減らすための薬もある。しかし、長期にわたって処方し続けなければならず、次第に飲まなくなる人が多い。
 「結石は再発を繰り返すと腎臓の機能が下がる。結局は食事や生活のスタイルの見直しを最優先すべきことが大切になってきます」(前出・泌尿器科担当医)

 また栄養管理士の前田さんも、生活習慣の改善を第一に考える必要があると強調する。
 「結石を予防するポイントの多くは、肥満や高血圧といった生活習慣病を防ぐことと重なります。患者さんの大部分を占めるカルシウム結石や尿酸結石は、高カロリーや高脂肪といった食生活が原因の一つといわれていますから、糖尿病を抱える患者さんは多く、とくに注意が必要です」

 また、結石の種類によって、少数だが遺伝的な原因が強かったり、特定の薬の多用が原因になる場合もあるので、治療法も異なってくる。他の医療関係者も、結石の疑いをもったら、「まず泌尿器科などで検査を受け、適切な治療をしてほしい」と語っている。
 近年は、多くの泌尿器科医が、食事指導に取り組んでいて、患者の約6割が指導を受けているといわれている。七転八倒するほどの痛みを体験したくなかったら、結石の予防と再発を防ぐ努力をするためにも、医師の指導の下で、しっかりとした治療をすべきだ。

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