A:コーヒー、赤ワインともに最近そのような報告がなされてようです。
報道によると、コーヒーついてはブラジルの大学での研究で、シャーレ上の実験ですが、コーヒー豆の成分が歯垢や虫歯の原因となる細菌性バイオフィルムを破壊することが明らかになったそうです。
有効成分については、コーヒーに含まれる抗酸化物質のポリフェノールが効果を発揮したとの見方を示しています。
赤ワインに関しては、スペイン科学研究高等会議・食品科学研究所の研究です。
最近、赤ワインやグレープシード(ブドウの種)に含まれるポリフェノールには、虫歯の原因となる細菌の生育を抑える作用があると報告されました。
そこで同研究チームは、バイオフィルムを赤ワインやノンアルコールの赤ワイン、グレープシードを添加した赤ワインなどに2分間浸して実験を行いました。
その結果は、どれも細菌を抑制する効果が認められ、中でもグレープシードを添加した赤ワインがもっとも効果が高かったそうです。
●甘い物を控えることが重要
以前からの研究報告からも、チョコレートや赤ワインのポリフェノールには、虫歯の原因となる細菌の発育を抑える働きがあることは確かでしょう。しかし、それは試験管レベルです。実際に、私たちがコーヒーや赤ワインを常飲して、どの程度虫歯を抑える効果が得られるかはわからないでしょう。
ご質問の方の場合、虫歯予防には、まずは甘い物を控えることのほうが重要でしょう。その上で、コーヒーや赤ワインを適度に嗜むようお勧めします。
コーヒーを飲み過ぎると、色素が歯に着色するおそれもあります。また、赤ワインはアルコールですから、飲み過ぎると健康によくないことは明らかです。
これさえ飲んだり食べたりすれば虫歯を予防できるという、都合のいいものはないと思ったほうがよいでしょう。全身の健康に気をつけ、日々の歯磨きを励行するようお勧めします。
山田晶氏(飯田橋内科歯科クリニック副院長)
骨盤療法(ペルピックセラピー)で著名。日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨格に関心を持ち、そのゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。