高平が執筆してきた原稿を、テーマ別にまとめた「高平哲郎スラップスティック選集」シリーズが今年2014年6月より隔月で発行されており、今回の第2弾トークショーにゲスト登場した小堺は、高平と30年わたる親交がある間柄。そういった理由もあり、シリーズ第2巻のテーマ「アチャラカ」をキーワードに、会場では幅広い時代のコメディー業界エピソードが語られた。
小堺は、「当時の浅草のネタは大体パクリです」と萩本欽一が高平との対談でいって驚いたという話しをし、高平は、「テレビがあった訳ではないし、実は映画を封切り前から見てた人とかもいて、放映される前からチャップリンの曲使ってたりしてた。だからエノケン(榎本健一)さんの方が(チャップリンの映画のネタ)やるの早かったりしたりして」と当時はコネで映画がかなり早く見ることができたとコメントした。
そこからパロディーネタの話しとなり、高平が構成作家として携わった『今夜は最高!』(日本テレビ)で、当時国民的映画だった某作品のパロネタを披露し、権利元から抗議され著作権料を払ったエピソードを語ると小堺は、「今はパロディできないですよね。ゴッドファーザーのネタやるときマーロン・ブランドのシーンをやるとお金取られちゃうとか」とコメント。「真面目じゃないと怒られちゃう。僕程度で真面目って言われる。おかしいですよ(笑)」と現在のコメディ業界の息苦しさを軽快な口調で憂いた。
後半は高平と小堺に縁のある萩本と勝新太郎の話となり、小堺がモノマネを交え、勝が店やスタッフに、わざとクレームをつけるドッキリをする話しや、萩本との打ち合わせで向かい合うと大変な目に遭うなどの面白エピソードを披露。「最近テレビの人達ってちゃんとしてるじゃないですか。おかしいですよね、テレビ出る人がまともである訳がない(笑)」、「最初に大将(萩本)にお会いしたとき“愛は地球を救う”の人じゃない! 違うじゃん! と思った(笑)」などと語り場内の爆笑を誘った。(斎藤雅道)