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一時は兄貴と慕った押尾学に、ついて行かないでヨカッタ柳楽優弥

 連日、裁判員裁判で公判が行われている元俳優、押尾学。そんな押尾が一番輝いていた時期、主演ドラマで共演し、自己主張の高い押尾に強く影響されていた一人の子役少年がいた。彼は思春期の迷いから一時は精神的にピンチに陥り、押尾からエールを送られるまでに落ち込んだ。そんな時期を乗り越え、良き伴侶を得て見事に復活。やる気を取り戻し、今は意欲的に仕事をしている。あの時もし押尾とつるんでいたら…。危険を上手く回避した。

 ひょんなことから政治に目覚めた東京都下町のヤンキー、武藤国光が、尊敬する政治家・坂上竜馬の秘書として仲間と知恵を合わせ強敵と戦っていく物語『クニミツの政』。2003年夏クールにフジテレビ系で放送された連続テレビドラマだ。当時人気俳優だった押尾学が、カリスマ性のある若者・国光を演じ、共演女優は、伊東美咲と吉岡美穂。あまり視聴率は振るわなかったようだが、原作ファンの記者は毎週楽しみに見ていた。原作では、政治やさまざまな問題にまでつっこんだ過激な作品でもあるのだが、ドラマは、国光が教師として小学校に乗り込む「教師編」がメイン。当時中学生だった子役俳優・柳楽優弥は小学校6年生の生徒役で出演。目立ってもいいキャストではあったが、他の子役よりずい分背が高く、大人っぽい印象があった。

 その後柳楽優弥は、映画『誰も知らない』で、第57回カンヌ国際映画祭で、史上最年少で最優秀主演男優賞を受賞。フランスの有名デザイナーをはじめ、様々な著名人が彼を絶賛し、とにかく14歳の少年には荷が重いもてはやされぶりだった。『誰も知らない』以後は実在の像つかいの少年を映画化した『星になった少年 Shining Boy & Little Randy』や、沢尻エリカと共演した『シュガー&スパイス 風味絶佳』などが公開されたが、大ヒットには至らず。後発の若手俳優がどんどん出てくる中で、柳楽は「過大評価されているのではないか?」と思われ始める。知名度だけが広がって思わぬプレッシャーがかかった十代でもあった。そんな彼の心の支えであったのが、『クニミツの政』で共演し、俳優・音楽と枠にとらわれず自由に活動している(ように見えた)押尾学だった。押尾の事を尊敬していると、メディアで度々発言している。そんな2008年、とうとう柳楽は、安定剤を大量に服用し急性薬物中毒で倒れ、病院に運ばれニュースになった。もう彼の俳優人生は終わってしまったかと思われ、少なくとも数年の休養は必要だと誰もが思った。

 しかし、しばらく休養をとって20才になった柳楽は今年モデルで女優の豊田エリーと入籍。柳楽より1コ年上で現在妊娠中の豊田は、騒動を起こして挫折を味わった柳楽を上手く操縦。夫の仕事復帰に大きく貢献した。見た目は幼く可愛らしい印象の豊田だが、若いがなかなかしっかりした女性でもあり、頭の回転が速くトークも上手い。出産後、豊田自身もママ・タレントとして人気が出てくるに違いない。豊田がそばにいれば柳楽もこの先しっかりと地に足がついた活躍ができるのではないか。

 一家の主となり、若くして父親となる柳楽優弥。今年は原案著書「止まない雨」の出版告知や佐藤江梨子とダブル主演した映画『すべては海になる』、現在放送中のWOWOWドラマ『TOKYO23』などで(少し太ったが)元気そうな姿を見せている。いまや反面教師となってしまった、尊敬していた兄貴・押尾学をどう思うのか。(コアラみどり)

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