この祭りでは、主に農民の未婚の男女が多数集まって「豊作」を祈りつつ、酒を飲み、歌を歌い、盛り上がってきたところで、お互い気に入った男女が“その場”でセックスをし始め、最後は相手構わずヤリまくるトンデモナイお祭りだったという。
例えば、現代日本人の平均寿命は80歳以上だが、この時代は赤ん坊や幼児の死亡率が非常に高く、医療や栄養事情も悪かったため、成人の老化も早かった。驚くべきことに奈良時代の平均寿命は「30歳以下」だったとも推定されている。
つまり、早く子供を作らなければ後継者もなく、農地を耕す働き手もなく、先祖代々の土地が没収されてしまう恐れがあった。だから農民の未婚男性は、年頃の女性や若い後家(未亡人)へ、積極的に“夜這い”を仕掛けたのだ。
夜這いとは、つまり「性交渉」のことだが、相手が同意すればその場(女性が寝ている部屋)でセックスし、同居する女性の親も黙認する。そして相手が妊娠したら結婚するというのが、ごく自然の流れだったそうだ。
これは男性側の話だが、逆夜這い系、つまりエロい後家さんが未婚男性の家に通って性教育する、なんてことも普通にあったらしく、“既婚者同士の浮気”などというのも、同意の下で、ごく気軽に行われていたらしい。
いやはや何とも、という感じではあるが「性と死」が隣り合わせだった古代特有の切実な事情が、この「フリーセックス文化」を生んだのかも知れず、ある意味では本能のままに生きた古代人たちの“陽気な笑い声”が聞こえてくるようでもある。