この状況の中、浅田が来年の平昌冬季五輪(韓国)に出るため、最後の手段を取る。それは、地方予選にあたる中部選手権、西日本選手権に出場し、今年12月の日本選手権で優勝して“最後の一席”を掴み取るというものだ。
「浅田の今年のスケジュールは白紙です。日本選手権で敗退したため、シーズンを締めくくる世界選手権に出られないからです。五輪に出るには、今年12月の日本選手権で優勝するしかありません」(体協詰め記者)
昨年12月の日本選手権で、浅田は自己ワーストの12位に沈んだ。上位選手たちによる夜のエキシビションを見ることなく、昼間のうちに大会会場を後にした。
「会見には笑顔で応じたものの、後輩たちの演技を見るのが辛かったのでしょう」(同)
平昌五輪の出場枠だが、シングルは男女各30人。うち24枠は、浅田が出場権を逃した今年3月の世界選手権の結果で、各国に振り分けられる。各国の上位2選手の順位を合計して13位以内なら最大の3枠、14位から28位なら2枠、29位以下なら1枠となる。
日本が最大の3枠を得るには、その世界選手権に出場する宮原知子、樋口新葉、三原舞依に頑張ってもらわなければならないが、今回は2枠との見方が圧倒的。
現時点で平昌五輪の日本代表は、世界ランクの順位と今年12月の日本選手権の優勝者から選ばれる。浅田は去年12月の同大会で下位に沈んだため、シード権がない。つまり、国内外の大会を勝ち続けなければ、最終選考の日本選手権に進めないのだ。
「中部大会に出たら、中学1年以来です」(関係者)
地方には寂れた会場もある。連戦も覚悟しなければならない。もっとも、そこから這い上がってきたとなれば、日本中が感動するだろうが、これまでスポットライトがまぶしい表舞台で活躍を続けてきただけに、過酷な地方予選を勝ち抜けるのか心配だ。故障した左ヒザがいつ爆発するかも分からず、地方予選が花道にならないことを祈りたい。
どさ回りは演歌の世界の話ばかりではなかった。“浅田真央哀話”、未だかつて経験のない氷上のどさ回りが始まる。