今季は開幕2カード目のナゴヤドームの中日戦で3連敗。先週もマツダスタジアムの広島戦で3タコ。チームは35試合で19勝16敗(5月9日現在)の2位につけてはいるが、ことアウェーでは7勝12敗(同)と大きく負け越している。
「チームのタガが緩んでいるのです。3連覇した昨年までの3シーズンはホーム、敵地とも勝ち越している。しかし、Vを逸したその前の2011年、'10年は、ホームでの勝ち星は同じくらいあるのにロードで負け越し。東京ドームの試合はチケットもグッズもビールも売れるし、テレビ視聴率にも跳ね返ってくる。収益は全て巨人だから全選手がベストを尽くし、査定も高い。一方、敵地での収入は当然巨人には反映されない。だからフロントも選手も手抜きになるのでしょうが、それをホーム同様に、緊張感を植え付けて士気を高めるのが監督の手腕というもの。体調不良で試合を休むのも自己管理責任。そこを問題視しているのです」(スポーツ紙デスク)
そんなチームで際立っているのが、川相昌弘ヘッドコーチの指導能力の高さだ。突然の代行にもかかわらず、5試合を4勝1敗で難なくしのぎ、原監督にバトンを返した。川相ヘッドの評価は上がりに上がった。その後に起きたのが、あの広島での赤っ恥3連敗。ケチの付き始めは新外国人フランシスコの失態だ。
インフィールドフライなのに三塁走者にタッチせず、サヨナラ負けという珍プレーを演出したかと思えば、翌日には一塁後方へのファウルフライに追い付きながら捕球をミスし、そのまま悪い流れを呼び込んで球団初の初回10失点を“お膳立て”。その翌日もバント処理ミスでエース菅野がボロボロに…。原監督から即刻二軍落ちを命じられた。
一方、DeNAはなぜか絶好調。5月以降の首位は8年ぶりのことで、これまたOBの中畑清監督の評価は上がったが、当然、原監督の株はさらにダウン。憂慮した読売首脳はシーズン中の休養も視野に入れ、次期監督の選定作業を再燃させているという。
もっとも、シーズンの途中交代は川相ヘッドに限られるが、オフでも一部フロントからは「川相を次期監督に」という待望論が湧き上がっている。
「二軍監督時代('11、'12年)の指導能力が素晴らしい。キャンプで全力疾走を怠った選手は迎えのバスに乗せず、球場から宿舎まで平気で罰走を命じた。早出や居残り練習は当たり前。当時の二軍は読売ドラゴンズと呼ばれたものです。絶頂を誇った中日の落合イズムが注入され、その落合氏の監督手腕はナベツネさんも高く評価していた。今の原巨人に欠けているものを川相に求めているのでしょう」(巨人OBの野球解説者)