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社会 2014年10月21日 13時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 誰も考えていなかった
北海道、東北、四国、沖縄の大手電力4社が、9月30日に再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)に基づく事業用発電の新規買取契約を停止すると発表した。これで、先に発表した九州電力を含め、5社が買取停止を決めたことになる。 買取停止を決めた電力会社は、電源供給の不安定な太陽光発電による電力買取をこれ以上進めると、電源全体のコントロールが利かなくなってしまうためだとしている。 しかし政府は、電源構成の中に占める再生可能エネルギーの比率を2030年に2割とするビジョン(10年総合資源エネルギー調査会)を示している。その目標がまったく達成されていない状況で、なぜ買取中止という事態に陥ったのか。 私は太陽光発電による電力の買取価格の設定に失敗したからだと思う。現在、10キロワット以上の太陽光発電は、1キロワット(毎時)あたり32円の固定価格で20年間、全量買取が保証されている。この単価が十分な利益を保証する金額だったから、多くの事業者が参入した。ところが、単価が全国一律だったために、当然、投資は北海道や東北、九州といった地価が安く、遊休地がたくさんあるところに集中した。そのため、そうした地域の受け入れがパンクしてしまったのだ。 一方で、東京、大阪、名古屋といった大都市の電力会社には、まだ太陽光発電の受け入れ余力があるのだが、地域間で電気をやりとりする「連系線」の容量に限界があるため、他地域で作られた再生可能エネルギーの電力を受け入れることは困難だという。 しかしそれは、理不尽な話だ。メガソーラーの立地が地方に偏在することは、最初からわかっていたはずだ。特に原発事故の影響で産業が低迷する東北地域にとっては、太陽光発電は確実な収入の見込める大きなビジネスだった。 また被災地の自治体にとっても、大きな固定資産税が入ってくるから、震災復興の重要な手段になっていたのだ。それを、いきなりハシゴをはずしたのは、被災地に対する裏切りだと思う。連系線が足りないなら復興予算で整備すべきではないか。 実は、今回の買取停止には、もう一つ裏があるのではないかとみられる。経済産業省が、FIT制度の認定を受けたすべての再生可能エネルギー設備が稼働すると、電気料金に上乗せされている再生エネルギー電力の買い取り費用が年間2兆7018億円に達し、平均的な世帯の負担額が現状の月額225円から935円に増加するとの試算を示しているからだ。このまま放置すると電気代がとんでもない値上げになってしまう。それを防ぎたかったのかもしれない。 いずれにせよ、現在のFIT制度は完全に行き詰まっているので、抜本的見直しが不可欠だ。そのとき、私は地熱発電をメーンに据えるべきだと考えている。 日本は火山国で、世界第三位の地熱資源を持っている。しかも地熱は、他の再生可能エネルギーと違って安定した発電が可能であり、ベースロード電源となる。地熱発電は、二酸化炭素も一切排出しない。うまく仕組みを作れば、民間がカネを出すことはFITで証明された。いまこそ、地熱に舵を切るべきだろう。
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社会 2014年10月21日 12時00分
『FC2』騒動でAVメーカーの高額賠償請求に怯える投稿者たち
あらゆるアダルト無修整動画を垂れ流し続けてきた、動画配信サイト『FC2』。その関連施設が、9月に京都府警を含む5府県警の家宅捜索を受けたことが、思わぬ事態を招いている。 これまで、『FC2』はユーザーから投稿された無修整AVや援助交際動画、果てはリベンジポルノをサイトにアップしてきたが、同サイトに著作権のある動画を投稿していた者たちが、次々と訴えられだしたのだ。 社会部記者がこう語る。 「米・ネバダ州に本社を置く『FC2』は、長らく米国法人との理由で国内の摘発を逃れてきた。ところが、『日本人経営者が日本に向けたサービスを提供している以上、言い逃れはできない』との判断で警察が家宅捜索に踏み切ったことで、今まで泣き寝入りしていたAVメーカーなどが、投稿者らを訴えだしたのです」 ちなみに、『FC2』は課金制度を設けており、ユーザーが支払う料金の一部が投稿者らに分配されるシステム。そのため、メーカー販売のAVを違法に流して小遣い稼ぎする輩が絶えず、こうした者たちがターゲットになっているのである。 「すでに大手AVメーカー数社が『FC2』に対して計6500万円の損害賠償を求める裁判を起こしており、複数の投稿者を訴えるメーカーも出始めた。『FC2』側も、著作権者からの投稿者情報の開示請求に積極的に応えていて、今後はこうした動きが加速化する可能性が高いのです」(同) 注目されるのはその損害賠償額だが、これがとんでもなく高額らしいのだ。 IT関係に詳しい弁護士が言う。 「同サイトの違法アダルト動画は、10万人以上が視聴するケースが珍しくない。ネットの公式HPなどで500円で売られているAVを無断配信したとすれば、単純計算で5000万円。何本も配信していれば、1億円以上の請求が来ることになる。安易に投稿した者たちは、思わぬしっぺ返しを食らうことになるのです」
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芸能 2014年10月21日 11時45分
注目のASKA関連公判がスタート
執行猶予付きの有罪判決を受けた、歌手のASKA元被告とともに覚せい剤使用の罪で起訴された元交際相手の栩内香澄美被告の第4回公判が今日の午後、東京地裁で開かれる。 これまで、栩内被告サイドは一貫して薬物の使用を否認。毛髪鑑定や尿検査で陽性反応が出ているにもかかわらず、性交時にASKAの汗や体液が付着したことによる結果であることを主張していた。 「栩内被告サイドはかなり必死。栩内被告は性行為の際、普段からピルを服用しているため避妊していなかったことや、自宅マンションでの6年間に渡るASKAの愛人生活を垣間見せる赤裸々な証言をしていた。第4回公判でもさらに赤裸々な証言が飛び出すかが注目される」(全国紙社会部記者) 栩内被告はすでに保釈保証金300万円を支払って保釈されているとあって、「公判は残り1、2回で、遅くとも年内には結審される」(同)。 栩内被告の公判は午後1時半からだが、遅れること1時間半、同地裁では注目のASKA関連公判が開かれるというのだ。 「ASKAに違法薬物を売り渡したとして逮捕・起訴された、逮捕当時無職の柳生雅由被告と指定暴力団住吉会系傘下の組幹部の安成貴彦被告の公判が行われる。特に、安成被告が所属していた組織は新宿・歌舞伎町のド真ん中に事務所を構え、『新宿の薬局』とも呼ばれていた。ASKAのほかにも、薬物を購入していた芸能人がいるとうわさされており、逮捕の一方に背筋を凍らせた芸能人もいたはず。果たして、公判で芸能界を震撼させるような証言が飛び出すかが注目される。ただ、傍聴席は、“口封じ”のため、その筋の人がプレッシャーをかけているに違いないが」(週刊誌記者) ASKAは依然として、千葉県内の更生施設に入所しているが、柳生・安成両被告の公判が気になって仕方ないはずだ。
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トレンド 2014年10月21日 11時45分
「女賞金ハンター」とも呼ばれた2人組ダンスユニット「GALAXXXXY★」 好きな食べ物は「えんがわ」
ストリートダンス界では、数々の賞を総なめにし、「女賞金ハンター」とも呼ばれた2人組ダンスユニット「THE GALAXXXXY★」がリアルライブ編集部を訪問した。 「THE GALAXXXXY★」はJunko☆(右)とYUMIEの二人組ダンスユニット。これまでダンサーとしての活動がメインであったが、今年の7月に新曲をリリース。今はアーティスト活動をメインにしているとのこと。現代版ピンクレディーを目指し、テクノを基調とした音楽だ。もともとダンサーからスタートしているため、「踊りはバキバキです」(YUMIE)と自信を持っている。 ちなみに彼女たちのプロフィールを見ても、あまり詳しい情報が掲載されていない。謎多きユニットである。年齢やユニットの結成年を聞いてみても、「う〜ん、宇宙才。歳はとらないんです」(Junko☆)、「ダンスを始めたのも宇宙年」(YUMIE)との答え。ただ、出身地に関しては、Junko☆が静岡県でYUMIEが福岡県と、意外にあっさり教えてくれた。ちなみに、二人とも寿司のネタでは、えんがわが好きで、お寿司屋では、永遠にえんがわを食べ続けるという。 お互いの性格について、YUMIEはJunko☆を「どこでも進んでいく逞しい人です。なんでもできるんです」と紹介してくれた。今年、ノーベル賞を受賞した方と同じ高校だったとのことで得意科目は生物で、明治大学農学部出身でもある。一方のYUMIEをJunko☆は、「オシャレなんですけど、本当にボケているんです。そこがかわいいんです」と紹介。強い意志を持っているところは、「博多の強い女です!」と話してくれた。 最後に、今後の目標は、「みんなにもっと、私たちの曲を聞いてもらいたいです」(Junko☆)、「あと、『徹子の部屋』に出演したいです」(YUMIE)とそれぞれ答えてくれた。
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芸能 2014年10月21日 11時45分
アフリカに渡航中の狩野英孝 エボラ熱感染を心配する声
現在、テレビでの仕事のため、アフリカに渡航中のお笑い芸人・狩野英孝。12日に自身のブログで、「今からアフリカに行ってきます! 初めてアフリカに行った時もう人生でアフリカに行くことは二度と無いんだろうなぁ…と、思っていましたがまさかの今回で4回目」と報告した。 狩野の渡航報告に対して、ブログコメント欄には「エボラ…怖いですやん」「エボラ気をつけて下さいね」とエボラ出血熱の感染を心配する声が寄せられている。21日現在、帰国報告はされていない。 エボラ出血熱は西アフリカを中心にスペインなどにも感染が拡大。現在、疑い含む感染者数は9000人以上、死者は4500人以上に膨れ上がっている。 8日には、アメリカで医療従事者2人が感染したことが発覚。渡航者も多い世界の中心地なだけに、さらなる拡大が懸念されている。 20日、ナイジェリアはエボラ出血熱の終息を宣言したが、まだまだ予断は許されない。狩野には無事に帰って来て欲しいのと、帰国した際にはしっかりと検査して頂きたい。
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芸能 2014年10月21日 11時45分
EXILE・SHOKICHI 体脂肪率7.8%という最高の肉体美をCMで披露
EXILEのSHOKICHIが20日、都内で行われたアンファー「スカルプD」の新CM発表会に登壇し、会場に駆けつけた女性ファンの黄色い声援に応えた。 同CMで「自分史上最高」という鍛えあげられた体を披露したSHOKICHIは、「筋トレに食事制限、最後の1日は水まで抜いて絞りました」とコメント。もともと体脂肪率が一桁であったが、撮影ではさらに2%落とし7.8%という究極の肉体に仕上げたとのことで、「今回が1番つらかったですね、ちょっとやり過ぎたかな」と振り返った。 CM撮影では数トンの水を使用したとのことで、「人生でこんなに水責めされることないですよね。監督からは『耐えて』と言われたので、頑張って耐えました。男らしさも上がったはず」と話し、自分が好きなシーンについては服を脱いで上半身裸になるシーンだと答えた。 発表会終了後は、スカルプDが頭皮に優しい薬用シャンプーだということで、髪の毛関連の問題で必要なメンバーはいるかと質問されると、「いやいや、トレーニングの後やライブの前と後にみんなが使っています(笑)。爽快感がありますよね」と髪の毛の問題は関係なく、メンバー全員が使っているとコメント。さらに報道陣から「HIROさんも(大丈夫)?」としつこく聞かれると、「まだ大丈夫です。ではなく、もちろん、大丈夫です!」と答えた。(斎藤雅道)
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芸能 2014年10月21日 11時45分
AKB48渡辺麻友「メガネ無しの人生は考えられないほどお世話になっています」
メガネがもっとも似合う各界の著名人を表彰する「第27回 日本メガネ ベストドレッサー賞」が20日東京・江東区の東京ビッグサイトで行われ、AKB48がサングラス特別賞を受賞した。 「今後、サングラスを掛けて活躍してほしい人」に贈られる「サングラス特別賞」に、AKB48の渡辺麻友、横山由依、峯岸みなみ、小嶋真子、田野優花、加藤玲奈、木崎ゆりあ、向井地美音の8人が選ばれた。メンバーを代表して渡辺は「素晴らしい賞をいただきましてありがとうございます」とニッコリ。 2011年にもメガネ特別賞を受賞している渡辺は「小学校6年の時から8年間メガネを愛用しています。メガネ無しの人生は考えられないほどお世話になっています」と笑顔で語った。 普段はあまりサングラスを掛けないという渡辺だが「店などで可愛いサングラスを見つけるとつい買ってしまうくらいサングラスが大好きです。これからはファッションにもサングラスを取り入れていきたいです」とサングラス愛を語った。(アミーゴ・タケ)【27回 日本 メガネ ベストドレッサー賞 受賞者】政界部門・甘利明 経済界部門・萩原博子文化人部門・高嶋ちさ子スポーツ部門・葛西紀明芸能界部門・石原さとみサングラス部門・道端アンジェリカメガネ特別賞・May J.サングラス特別賞・AKB48
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芸能 2014年10月21日 11時45分
小林よしのり氏 AKB48まゆゆの“ベーコン姿”に大興奮
28日に放送されるCS放送フジテレビONEスポーツ・バラエティで放送中の『AKB観光大使』で、ベーコンの被り物を着用したAKB48の渡辺麻友の写真が報道され、自身のgoogle+にも画像をアップした。この渡辺麻友のベーコン姿を漫画家でAKB48の熱烈なファンである小林よしのり氏が大絶賛している。 小林氏は自身のブログを『まゆゆベーコン「愛の存在」』とのタイトルで更新。「ぐぐたす見たら、まゆゆがベーコンを被っていた。ま…まゆ…まゆゆ…き…君は王道のだなあ…正統派の…キラキラ光るその…華やかな…何をやってるんだ! まゆゆ〜〜〜〜〜っ!?」と大絶叫。 さらに、「表情があまりにベーコンとの落差がありすぎて、シュ…シュールでしゅよ〜〜〜〜〜っ!」と大興奮している。*写真は渡辺麻友のgoogle+から
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レジャー 2014年10月21日 11時45分
ハッシーの地方競馬セレクション(10/22)「第21回マイルグランプリ(SII)」(大井)
勝負所でのロスが痛かった! 「第13回鎌倉記念(SIII)」がおこなわれた先週の川崎競馬場。本命に推した強くて学があるレイザーラモンHGのようなラッキープリンスは、押して出していったものの内のタイセイスウォ−ドが譲らず2番手からの競馬。向正面中ほどから早めに後続から来られ、勝負所となった3コーナーで、外からオウマタイムに交わされる際に手綱を引くロスがあり、再加速して先頭との差を詰めたものの最後は一杯になり3着。スムーズに競馬が出来ればもう少し接戦となったでしょう。それでも力のあるところは見せただけに次走も注目。 さて、今週は大井競馬場で「第21回マイルグランプリ(SII)」がおこなわれます。過去の勝ち馬にはアブクマポーロやナイキアディライト、アジュディミツオーにフジノウェーブと地方を代表する面々が名を連ねています。今年も好メンバーが揃い、スピードとパワーのぶつかり合いに注目です! 本命に推すのは、新たなるスターの匂いがぷんぷんするグランディオーソ。デビュー戦から17戦して4着以下がない抜群の安定感を誇る本馬。初重賞制覇を狙った前々走こそは、重賞4勝馬・セイントメモリーに敗れたものの2着と好走し、今の充実ぶりを物語っています。充実度といえば、今やテレビやドラマに引っ張りだこの斎藤工。まだまだとどまるところを知らない充実度は瓜二つ。状態も良く、今回はメンバー的に落ち着いた流れになることはないでしょうし、展開も向きそうです。鋭い追い込みを武器に今度こそ初重賞制覇といきたいところです。 相手筆頭は抜群の動きを見せているセイントメモリーです。トップハンデの59kgが示す通り、交流重賞1勝を含む重賞4勝は断然の実績。交流重賞の勝ち鞍はもちろんですが、圧巻だったのは前々走のサンタアニタトロフィー(SIII)。先行馬が軒並み崩れていく中、上がり3位タイの脚を使い2着馬に0秒4差を付けた内容はさすがの一言。追い切りでは抜群の動きを披露しており状態に抜かりなし。唯一の不安材料は斤量ですが、今の状態の良さなら克服してくれることでしょう。 一発ならハマった時の末脚が強力なジョーメテオ。 以下、トーセンアドミラル、ミラーコロまで。◎(4)グランディオーソ○(11)セイントメモリー▲(2)ジョーメテオ△(16)トーセンアドミラル△(15)ミラーコロ買い目【馬単】5点(4)→(2)(11)(15)(16)(11)→(4)【3連複1頭軸流し】6点(4)-(2)(11)(15)(16)【3連単】9点(4)→(2)(11)(16)→(2)(11)(15)(16)※出走表などのデータは、必ず公式発表のものと照合し確認して下さい。<プロフィール>ハッシー山梨県出身。学生時代大井競馬場で開催された大学対抗予想大会の優勝メンバーの一員。大学卒業後北海道へ渡る。浦河にある生産牧場を経て、在京スポーツ紙に入社。牧童経験を活かし、数々の万馬券を的中する。中にはパドックで選んだ4頭で決まり、3連単100万円越えあり。本人いわく馬の気持ちがわかるとか。
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スポーツ 2014年10月21日 11時45分
ドラフト戦線異常アリ! 2014年のキーワードは「外れ1位」(東京ヤクルト編)
即戦力投手を指名できなければ、来季も苦しいシーズンになるだろう。計算の立つ先発投手は、小川泰弘、石川雅規の2人だけ。館山昌平は右肘の再手術で一軍登板がなかった。昨年オフに右肩にメスを入れた(佐藤)由規も、二軍登板こそ果たしたが、終盤戦に再び違和感を訴えた。期待の新人・杉浦稔大も出遅れ、苦しい展開が続いた。 ヤクルトのスカウト会議は10月8日に開かれた。鳥原公二チーフスカウトは「勝つために必要な投手を集める。競合は辞さず、良い投手を…」と力強く語っていたが、その直後、社会人の雄・竹下真吾投手(ヤマハ=24/左投左打)の名前が浮上。竹下も複数球団がマークする好投手ではあるが、「有原(航平)、安楽(智大)の指名競合で外れた場合を恐れ、確実路線に転じた」との声が支配的だ。 ヤクルトは昨年オフ、トレード、FA補強を行わずにシーズンに突入した。外国人投手は獲得したが、ドラフト会議を『戦力補強の数少ない機会』と捉えている。 「球団経営が厳しいと聞いています。補強費にまわす資金にも制限があって、動きたくても動けないのでしょう」(プロ野球解説者) だが、野手は順調に育っている。今季ブレイクした山田哲人(22)を筆頭に、(高井)雄平(30)、川端慎吾(27)、畠山和洋(32)が打率3割強をマークし、中村悠平(24)、飯原誉士(31)、森岡良介(30)も高い打率成績を残した。 「谷内(亮太)、西浦(直亨)と2年連続で大学生内野手を指名しましたが、目立った活躍は見せていません。彼らは今後に期待するとして、チーム内に『野手は自前で育てた方が確実』の声が出ています」(関係者) 野手での指名があるとすれば、高校生になりそうだ。 同じく、近年のドラフト指名選手の活躍から考えると、社会人出身の投手に“助けられている”。13年は江村将也が31試合に登板し、今季は秋吉亮が奮闘した。秋吉の登板数61試合は、チーム最多だ。但し、もっとも熱心に見ていた社会人投手は、先の竹下。高木伴(NTT東日本/右投右打)、土肥寛昌(ホンダ鈴鹿/右投右打)は、「ストレートが速いだけではなく、重さもある」(在京球団スカウト)とのことで、今のヤクルト投手陣には少ないタイプ。江村は4位、昨年は指名最後を社会人捕手・藤井亮太で締めた(6位)。8日のスカウト会議後の「少ない(指名候補の)なかで、勝つために…」と、例年よりも指名選手が多くなることも示唆していた。近年、下位で20代半ばの社会人選手を指名するやり方からして、その指名枠を広げるという意味にも取れるが…。 ヤクルトも有原航平(早大)、安楽智大(済美高)、山崎康晃(亜大)、石田健大(法大)を1位候補としている。好投手・鈴木優(雪谷高)のもとにも熱心に足を運んでいた。 ヤクルトには、他球団も一目置く若手スカウトがいた。来季、二軍打撃コーチに配置換えとなる斉藤宜之氏だ。小川泰弘に早くから目をつけていたという。その斉藤スカウトの“置き土産”があるとしたら、島袋洋奨(中大)かもしれない。甲子園を沸かせた左腕は大学球界で苦しんだが、「もっとスピードが出るはず」と“プロ入り後の伸びしろ”を語っていた。他球団は大学球界での成績がイマイチなので、プロ入り後の成長に期待して上位指名してくるのではないだろうか。 他に高校野手は、宗佑麿(横浜隼人)、脇本直人(健大高崎)、浅間大基(横浜高)。影響力を持つスカウトの1人、羅本新二氏は、植田海(近江高)の守備センスを絶賛していたそうだ。同スカウトが社会人・本田技研の出身ということも考えると、同社(現ホンダ鈴鹿)で、主にリリーバーとして活躍してきた守屋功輝(21=右投右打)の指名も予想できるが…。 編成を統括する新純生・球団専務が、今年6月、田中英祐(京大)を直接取材したとの情報もある。ヤクルト関係者に田中の話を振ると、「大学がどこというのは関係なく…」と返してくる。『同リーグでナンバー1投手』というのが他球団を含めた田中評だ。しかし、「大学ウンヌン」と返答するのは、すでに他地区の好投手との比較も終えているからだろう。色々な意味で、ヤクルトのドラフトは異質なものになりそうだ。