北朝鮮
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社会 2023年07月31日 19時02分
「おぐらが斬る!」休戦70年 北朝鮮はいま何を考えているのか
7月27日、北朝鮮は朝鮮戦争の「戦勝記念日」と位置づける軍事パレードを行った。ロシアからショイグ国防相、中国から李鴻忠政治局員が参加したが、なかでも金正恩総書記がショイグ国防相に盛んに話しかけているシーンが目立った。どうやら、李鴻忠政治局員はショイグ国防相より格下であり、また金正恩氏はロシアに兵器を売り込みたいという下心と、ロシアとの親密さを日米韓、そして中国にアピールしたかったらしい。軍事パレードでは、次々と北朝鮮の最新兵器が公開された。まず戦闘用ドローンが2機だ。これは米軍の無人偵察機「グローバルホーク」と無人攻撃機「リーパー」を、外見上モロパクリしたものだ。これらは「北朝鮮の技術は、米国の兵器をそっくりに模倣できる」とアピールするためであろう。ただし最先端兵器というものは、最先端の科学力が必要なので、その能力はまだ不明だ。また最新兵器だけではなく、北朝鮮には朝鮮戦争時代の古いソ連製の砲弾がたくさんある。それをウクライナ戦で、砲弾不足になっているロシアに売りたいという思惑もあるらしい。すでに去年のニューヨークタイムズ9月5日によると「ロシアは北朝鮮から何百万の砲弾とロケットを購入したと報道されている。一方、8月18日に、日米韓首脳会談が、ワシントン近郊のキャンプデービッドで行われる予定だ。議題は「北朝鮮問題についての3か国協力拡大」である。こういった会談は、大きな国際会議の後に行われることが多いが、単独で行われるのは珍しい。それだけ北朝鮮を危険視しているということだろう。北朝鮮はウクライナ戦争を見て「核がないと、他国に侵略される」という思いと「同盟がないと、侵略される」という2つのことを強く思ったことであろう。ウクライナは核もなく、NATOにも入っていないから、ロシアの侵攻を許したのだと。1948年9月9日、ソ連(ロシア)の朝鮮占領軍が監督する中で北朝鮮は建国した。以来、建国のときから北朝鮮はソ連の傀儡国家であり、頭が上がらない相手であった。それが2023年7月26日、建国後初めてロシアの重鎮ショイグ国防相が、頭を下げて兵器を都合してくれと言ってきた。中国は北朝鮮の核開発を良く思っていないが、いまさら北朝鮮を切れない。ウクライナ戦争のおかげでロシアとの関係は強化できた。ICBM(大陸弾道ミサイル)で全米を射程に入れることも成功しそうだ。いま金正恩氏はニンマリと笑っているのかも知れない。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年07月05日 22時01分
「おぐらが斬る!」一時は豊かであった北朝鮮が世界の最貧国に落ちるまで
いまや北朝鮮は、世界でもっとも貧しい国の1つだ。しかし60年ほど前の北朝鮮は、一時的とはいえアジアの発展途上国でもっとも工業化が進んだ国となり、共産主義の理想的な国と言われたほどであった。北朝鮮は韓国に対しても優位に立っていたのだ。なぜ北朝鮮はここまで落ちてしまったのか? 一言でいえば最初のリーダー金日成はカリスマであったが、国家経営についてはダメンズであったからだ。1953年、朝鮮半島は二つに分断され、北朝鮮という国が誕生して以来、ソ連や中国から援助を受け続け、ずっと自立できず援助や支援で生きてきたダメンズ国なのだ。北朝鮮が1950年~1960年にかけて一時的に豊かになったのは、巨額の経済的支援をソ連や中国から受け取り、道路・鉄道・港湾・ダムといった産業の再建が進んだからだ。なぜソ連や中国、特にソ連がここまで北朝鮮を支援したかというと、北朝鮮と韓国が冷戦の縮図であり、北朝鮮が資本主義国の韓国に劣るということは、共産主義国の敗北であったからだ。金日成はそれらの支援金を豊かな鉱山の開発に使わず、軍事力の強化と軍需産業の基盤となる重工業につぎ込んだ。重工業とは製鉄や造船、軍需などだが、金日成は重工業を重視するあまり、農民を強制的に工場へ動員した。そのため食料生産力がどんどん落ちてきた。それでも1970年くらいまで北朝鮮は韓国に比べて経済的に優位にたっていた。80年代になるとこれまで頼りにしてきたソ連など共産諸国からの援助が大きく減り、エネルギー不足や食糧難で餓死者が出るようになった。その80年代に、韓国は激に民主化や五輪を行うなど急激な経済成長をしていくのである。やがて頼りにしていたソ連は崩壊。中国は改革開放路線に舵を切った。北朝鮮はそれでもこれまでの方針を特に変えなかった。ソ連はロシアとなり、北朝鮮への支援は激減した。そのため支援で食べていた北朝鮮は90年代になると大量の餓死者を出すようになり最貧国へと落ちて行った。それでも金日成の後継である金正日・金正恩は金日成路線を受け継ぎ、決して改革などをしようとしなかった。理由はカンタンだ。改革は金王朝の崩壊のリスクがあるからだ。それよりも、反体制的なものを徹底的に取締り、中国から経済援助をもらいつつ、密輸やサイバー犯罪など違法行為で外貨を稼ぎ、現体制を続けていきたい国家なのだ。いま北朝鮮に眠っている鉱物の価値は、総額10兆ドル(1431兆2000億円)以上の宝の山で暮らしながら、採掘する機材は古く、新しい機材を導入するには、技術も資金も足りず、作業員を動員しようにも、餓死者が出ている現状では、宝の持ち腐れ状態だという。60年前のまだ豊かであった時代ならまだしも、いまの状態では鉱山開発をすることは難しい。ミサイルの発射実験を一時的にもやめれば、お宝を手にすることができるのに、金正恩にその気はないらしい。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年06月05日 11時45分
『サンモニ』青木氏、日米韓の軍事的結束を猛批判「北朝鮮と紛争が起きかねない」
4日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、ジャーナリストの青木理氏が北朝鮮を巡るアメリカと日本、そして韓国の軍事的結束を批判した。 番組は「北朝鮮が軍事衛星を打ち上げて、Jアラートが鳴り響きました」と特集。「ミサイル」という言葉は一切使わず、「軍事衛星」として報道し続ける。その後、アメリカと日本、そして韓国が連携して対応していく方針であることなども紹介された。 青木氏は「遂に軍事衛星ってことまでね、本気で考えてるわけですけれども」と前置きし、「これ注意しなくちゃいけないのは、これまで各国は北朝鮮が核開発してるけれども、朝鮮半島の非核化をめざすと言ってたんですよ。 韓国の大統領がアメリカに行った時にワシントン宣言っていうのを出して、要するに核の拡大抑止というものを保障してくれという話、韓国に対するアメリカの核の傘っていうものを保障してくれっていうことを2人で謳い上げたんですね。朝鮮半島の非核化ではなくて、もう北朝鮮の核を前提に核には核をという体制になった」などと軍事衛星ではなく、なぜか北朝鮮の核ミサイルへの懸念を吐露する。 >>「韓国と関係を改善して…」バイデンリスク回避へ持論 『サンモニ』青木理氏の発言に疑問の声<< 続けて、話題は日米韓の軍事同盟へと移り、「アメリカの意向を受けて日韓が改善をしてるっていうのは、非常に僕もいいことだと思うんですけれども、シーンを紐解いてみるとやっぱりこう北朝鮮あるいは、もっと言えば中国を前提とした日米間の軍事的な連携っていうものばかりに軸足が置かれているわけなんですね」と批判する。 そして、「一方で北朝鮮に関して言うと、北朝鮮と交渉するとかね、あるいは対話をしてこの緊張局面を和らげようっていうような動きが基本的にほぼないんですよ。ようやくここに来て、もしかすれば日朝が、ちょっと温度差が出てきたのかなっていう状況になってるんですけれども、対立と緊張だけだと場合によっては偶発的な紛争が起きかねない」と持論を展開。 その後、「対話の糸口を見つける努力っていうのを本気でしないとちょっとこれは危ないし、日米間の連携で対抗するんだっていうだけではちょっと不安」などと日米韓の軍事的結束を批判した。 青木氏の意見に、視聴者からは「ミサイルや核武装をする北朝鮮を批判せず、被害を受ける側の日米韓を批判したうえ、挙げ句に話し合いだという。論理が崩壊している」「核には核って当然のことでしょ。脳内が何十年前からアップデートされていない」「対話の糸口を見つけるのは日本の役割? 北朝鮮も努力するべきなのでは」「拳銃を持って殺そうとしてくる相手に対話しようと言えるのか。ふざけるなと言いたい」と批判の声が相次ぐ。 また、番組が北朝鮮のミサイルを「軍事衛星」と報じ続けたことにも疑問の声が上がる。一方で、番組のファンと見られるネットユーザーからは「すべて同意できる」「その通り」などの意見も出ていた。
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社会 2023年04月05日 22時01分
「おぐらが斬る!」北朝鮮の悲惨な実情 人権問題報告書によると・・・
韓国統一省が、3月30日に公表した『北朝鮮人権問題報告書』という文書がある。これは2017~2022年に、508人の脱北者から聞き取った証言から作成されたもので、犯罪や死刑の実情などを公開したものだ。この文書は、北朝鮮におもねる文政権下では公開されてこなかったが、一転強気な尹政権になって公開に踏み切ったものだ。この報告書によると、2012年までは祖国反逆罪など7つの罪が死刑の対象となっていたが、2022年までに4つ増えて11の罪が死刑対象になったという。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため設定した封鎖区域への出入りも、死刑の対象となり、中朝国境では「3回警告を受けて止まらなければ射殺」という規定まであるらしい。また北朝鮮には海外の文化を取り締まる『109連合指揮部』という組織があり、特に韓国の映画やテレビドラマを観る国民を取り締まるのが任務。2015年には元山(ウォンサン)に住む16~17歳の6人が、韓国の映像を観て、アヘンを使用したとして、死刑が宣告され即座に銃殺刑に処されたという。2017年の報告では、妊娠6か月の女性が自宅で踊っていた動画が拡散。その動画の中で金日成の肖像画を指さす動画があったとして公開処刑。他にも知的障がい者や精神疾患者は『83号管理所(83号病院)』という施設に強制送還され、人体実験の対象にされるという報告もある。障がい者や精神疾患者を人体実験にするとは、ナチを思い出されるようなことだが、21世紀のしかも隣国でこんなことが行われているのかと、嫌な気持ちにならざるを得ない。ただこのような報告書に出てくるということは、北朝鮮の国民が国の体制に不満と不信を抱いていることには間違いがない。少しでも体制に反する国民を極刑にすることで「見せしめ」を行わなければいけないということだ。他に報告書によると、韓国人の拉致被害についても書かれている。北朝鮮に拉致された韓国人は、516人と推定されているが、拉致後も差別や監視対象になるなど人権侵害を受けているという。日本も2002年に5人の拉致被害者が帰国してから21年間、特にこれといった進展はない。日本人拉致被害者は、まだ12人もいる。いまや連発する北朝鮮のミサイルや、拉致被害、北朝鮮国民への人権問題に、ともすれば慣れてしまったり、諦めがちになりそうだが、決して忘れてはならない問題だ。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年03月20日 22時30分
北朝鮮・韓国 半島国家との付き合い方は難しい
米韓の合同軍事演習が、5年ぶりに実施されている。北朝鮮の核ミサイルの脅威を反映したものだ。そしていつものように北朝鮮はミサイルを日本海に撃ち、威嚇を行っている。そもそも2019年の春、金正恩総書記と当時のトランプ大統領・文在寅大統領の間で、北朝鮮が核実験をやめるなら、毎年恒例の米韓合同軍事演習規模を縮小しようということになっていた。当時は核問題が大問題になっており、トランプと文在寅は、金正恩の希望も一部受け入れて、北朝鮮が一番願っていた米韓軍事演習を一時中止した。だが、金正恩は核開発をやめなかった。そして韓国の大統領が代わった。新しい尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は「北朝鮮と話し合うのは無駄だ、力で抑えつけるしかない」と考えている。そして米大統領もバイデンに代わり、米韓は5年ぶり合同軍事演習を行うことになった。尹大統領に言わせれば「金正恩は【しつけ】なければならない。これまで25年間、北と話し合ってきた。支援も行った。しかし金正恩は核開発をやめない。ミサイルも打ち続けている。我々は騙され続けてきた」と、いうことだ。かといって対する北朝鮮もこのままだまっているわけがない。今回はじめて潜水艦からの巡航ミサイルの発射訓練を実施した。これは潜水艦から正確にミサイルが撃てるのだぞという、日米韓への威嚇でもある。今後、4月15日に故金日成主席の誕生日があり、4月25日は朝鮮人民革命軍の創建日、4月46日は韓国の伊大統領がアメリカ訪問に予定である。またこのあたりでもミサイルを北朝鮮は撃ちあげると予想できる。さて、今回の岸田総理と尹大統領の「シャトル外交」を十数年ぶりに再開させることが、ほぼ決定した。これも金正恩への圧力になっているはずだ。韓国の場合、政権が代わるとこれまでの約束を反故にするということが、当たり前のように行われてきた。「徴用工問題」「慰安婦問題」「韓国併合問題」を今後蒸し返すようなことをさせないように手をうたないといけないのだが、かの国は平然と手の平返しをしてきた歴史がある。2018年、海上自衛隊P1哨戒機へのレーダー照射問題もある。レーダーを照射するということは、これから攻撃するぞという意思表示なのだ。日本としては、このような国をどこまで信用していいのか。いくら尹大統領が日韓関係改善をがんばっても、韓国国民の支持がなければなんともしがたいだろう。今回の日韓首脳外交も、韓国内では賛否が分かれているという。もうしばらく様子を見たいところだ。それにしても、二つの半島国家との付き合い方のなんと難しいことよ。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年03月16日 22時01分
韓国伊大統領来日 日本はどれくらい韓国を信用していいのか
文 在寅(ムン・ジェイン)前大統領時代、過去最悪とさえ言われた日韓関係だが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領になってから、風向きが変わって来た。伊大統領は、何とか日韓関係を改善したいようだ。文政権時代、2018年10月、韓国最高裁が日本企業に対し、元徴用工や遺族への賠償を命じる判決を確定した。当時の安倍首相は「国際法に照らしてありえない判断だ。日本政府としては毅然した対応をする」と、かなりお怒りのご様子であった。当たり前である。徴用工問題に関しては1965年の「日韓請求権協定」で、とっくに解決済みなのだ。しかし当時の文政権は、日本企業の韓国国内の資産を差し押さえて売却する手続きまではじめたのだ。日本としては許せることではない。そもそも日本と韓国は、1965年に国交を結んだ。そのとき決めた協定が「日韓請求権協定」だ。協定では、韓国に「経済協力金」として無償3億ドル、有償2億ドルを供与し、両国の政府間と国民の間での賠償の請求権問題を「完全かつ最終的に解決」としたのだ。それをまた問題化して「金よこせ」と言ってきたのである。日本政府は対抗措置として、半導体材料の輸出規制を強化すると発表。輸出手続きで優遇する「ホワイト国」からも韓国を除外するなど、日韓関係は悪化の一途をたどってきた。しかし現在の伊大統領になると、日本企業に命じられた賠償分を「韓国の財団が肩代わりする」という解決策を発表した。上げた拳を自ら降ろした形だ。当然、韓国内から「屈辱外交だ」という声が上がる。韓国内ではこの解決策を「評価する」が約4割、「評価しない」が約6割と「評価しない」のほうが多い。大統領の支持率も少し下がったようだ。さて、日本としてはどう判断すればいいのだろう? 「慰安婦問題」では、2015年に元慰安婦を支援する「和解・癒し財団」を設立することで「最終的かつ不可逆的な解決」と決定した。しかし2018年、文在寅政権は一方的に財団を解散してしまう。徴用工問題も1965年に「完全かつ最終的に解決」したはずなのに、2018年になると日本企業に賠償金を出せと言い出した。つまりこの国は信用できないのだ。今回、伊大統領は本当に大きな政治的決断をしたと思う。日韓関係の改善は、いまのところ韓国側・伊大統領がボールを握っている。しかしいかに伊大統領が改善案を持ってきても、はたしてどれだけ信用できるのか・・・4年後には韓国大統領選があり、もし大統領が代わると、そのときまた慰安婦や徴用工、あるいはまた別の何かを問題化して「金を出せ」と言い出すような気がするのだ。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年03月07日 22時02分
北朝鮮飢餓深刻 その原因はアレ(ミサイル打ちあげすぎ!)
またしても北朝鮮が極度の食糧難になっているらしい。北朝鮮人民がもっとも飢えるのは、春の季節であるという。秋に蓄えた食料が春に尽きるからだ。 北朝鮮の食糧難は1990年代はじめから始まっており、94年~98年にかけては、30万人~300万人が餓死したという。元北朝鮮工作員安明進氏によると、このとき当時の最高責任者である金正日は「反乱が起きたら全部殺せ。餓死者は死なせておけばいい。私には2千百万全部の朝鮮人民が必要なのではなく、百万の党員がいればいい」と語ったという。 これが北朝鮮や中国、ロシアなど権威主義体制(権威、威光によって、真理であると断定する立場。権威に対して盲目的に服従する態度)の共通点だ。そしてこの3か国が日本の隣国であることを忘れてはならない。 98年のもっとも飢餓が激しかったとき、金日成は弾道ミサイル「テポドン」を発射しているが、テポドンの研究開発や発射の費用で、北朝鮮の全人民1年分のトウモロコシが買えたと言うが、これは現代も変わらない。 今盛んに発射しているミサイル代で、人民を飢えから救うことができるのだ。 また、北朝鮮の農業政策は「思い付き」としか思えないようなものばかりで、90年代の大飢饉のときは「農地が少ないなら山の木を切って農地にせよ」と、禿山にして洪水が頻発させたり、密植といって隙間なく作物を植え、大量の化学肥料を投入して土壌が消耗してしまったりと、不作の上にさらに不作になるような指導を行っていた。これらはいまでもあまり変わっていないようだ。 さらに北朝鮮の農業は、社会主義の集団農法をとっており、農民たちは自由に作物を植えたり売ったりできない。農民たちは創意工夫すらできないのだ。 90年代の大飢饉で、食料の配給制が破綻すると、北朝鮮人民は違法である闇市場をやるようになった。闇市場は資本主義経済である。闇市場は全国的に広がり2003年に合法化された。政府が抑えきれなくなったのだ。 だがそのおかげで配給がないのに人民はなんとか飢えから逃れることができた。それどころか2010年代くらいには庶民でも3食白米を食べることができるようになった。自由主義経済なら、カネも食糧も回るのだ。 ところがコロナ禍で、鎖国して食糧輸入を停止した。人々の移動も禁止した。海水や魚がコロナで汚染されているとでも思ったのか、金正恩は漁業まで禁止した。 さらに金正恩は市場を資本主義のものとして、統制を強めている。 西側諸国からの食糧支援は断っている。昨年になってようやく中国からの食糧輸入を再開したが、統制がきつく市場にまで出回らない。これでは人民が飢えるのは当たり前だろう。 北朝鮮の飢饉を起こしたのは、コロナ禍に対する政策の鎖国政策。人民が飢えていても無視してのミサイル開発。そして何より自由経済を否定した権威主義だろう。 無能な政治家が絶対的権力を振り回すことほど恐ろしいものはない。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2022年11月21日 10時35分
『サンモニ』谷口氏、北朝鮮ミサイル発射で日本政府を批判「朝鮮学校の子が怖い目にあった」
20日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、大阪芸術大学客員准教授の谷口真由美氏が、北朝鮮のミサイル問題について日本政府を批判したことが物議を醸している。 番組は、北朝鮮が日本の排他的経済水域にミサイルを打ち込んだニュースを取り上げる。ミサイルについて「IBCM火星17」と報じ、「アメリカ本土が射程に含まれることになる」「ロフテッド軌道で打ち上げられ、核弾頭を搭載して大気圏外に出て再び入るようなことになれば大変なことになる」などと詳細を解説した。 >>『サンモニ』谷口氏「政府批判をしたときに反日みたいなことを書く方がいる」主張に疑問の声も<< 感想を求められた谷口氏は「たぶん今、これに関して日本政府がすべき事っていうのは内と外と2つあると思っていても、外側に関しては外交というルートも大事」とコメントする。 続けて、「内側に関して言うと、朝鮮学校の子どもさんとかが、こないだ『ミサイルを飛ばすなと言うとけ』みたいな感じでですね、電車の中ですごく怖い目にあったりとか。そういうこう、ヘイトスピーチであるとかっていうのが出てきていて、子どもに抗議したところで解決すると思ってるんですかっていう話ですよ」と朝鮮学校の子どもがヘイトを受けていると主張する。 続けて、「そこに向けたって仕方なくって、それは日本が外交を通じてやるもので、日本政府に対して言わなきゃいけない話を、その一番弱い立場にあるお子さんに向けているっていう。これヘイトと言わずとして、何と呼んだみたいな話になっているので。日本政府もそういうヘイトスピーチに対しては、断固として許さないという態度を表明しないといけないんじゃないですかって言うことをちゃんと申し上げたい」と持論を展開した。 この内容に、一部視聴者から「北朝鮮のミサイル発射が原因なのに、なぜか日本人を批判する。意味がわからない」「日本人が生命の危険にさらされているのに。何を考えているのかさっぱりわからない」「ヘイトスピーチはダメだけど、日本人の心配より朝鮮学校の心配が先に出てくるのは意味がわからない」と怒りの声が上がる。 また、「いつ、どこで、だれが、どのように朝鮮学校の子どもにヘイトスピーチをしたのか教えてほしい」「事実としてこういうことが行われている物的証拠を見せるべきだ。新聞が報じたとか、誰かから聞いたと言うなら、不正確な情報を基にしていると言わざるを得ない」という指摘も。 一方で、番組のファンからは「谷口さんがそう言ってるのだから、実際にあると思う」「日本も朝鮮学校の子どもも苦しんでいるということでは」などの指摘も出ていた。 北朝鮮のミサイル発射については、11月6日の放送でもコメンテーターが同様の主張を行い、「証拠を明示するべきだ」という批判が出たが、現在も具体的な物証は明示されていない。番組はこのような声をどう考えているのだろうか。
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社会 2022年11月07日 11時10分
北朝鮮ミサイル発射で「在日朝鮮人のヘイトが増えている」サンモニ渡部氏の発言が物議 根拠を求める声相次ぐ
6日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、コメンテーターとして出演したNPO法人WELgee代表渡部カンコロンゴ清花氏の発言が物議を醸している。 番組は、北朝鮮がたびたび弾道ミサイルを日本に向け発射していることについてトークをする。渡部氏は「戦争が終わってない。まさにという中で双方が威嚇し合っているということに改めて見て感じました。韓国とアメリカの合同軍事演習をやめろというような主張がある中で、今日本が日米の軍事演習も重ねてエスカレートに加わっているということ自体も認識しなくちゃいけないだろうなという風に思いました」とミサイルを発射する北朝鮮の責任に言及せず、国民が死亡する可能性があった日本と韓国、そして同盟国であるアメリカの批判を繰り広げる。 >>『サンモニ』青木氏「日本は借金まみれ」と持論 経済評論家らから疑問の声も<< さらに、「今日本で在日朝鮮の人たちだったりとか、子どもたちに対するヘイトクライムが急増しているということも見過ごしてはいけないなという風に思っています。朝鮮学校に嫌がらせの電話がかかってきたりだとか、電車の中で足を踏まれるという報告があったりだとか、その出自を理由に危害に遭うかわからないという中で、集団下校をさせている朝鮮学校もあるという風な報告があるんですね。ここは、出自による危害というものに気にする必要がない中にいる大多数の人たちが声を上げないと、また消されてしまう声でもあるので、ここ我々もきちんと見ていかなきゃいけない」とコメントした。 渡部氏の発言に、視聴者からは「本当にそんなヘイトクライムがあるのか?」「ミサイル関係ないよね?」「電車の中で在日朝鮮人であることを見分けることが本当にできるのか?」「実際にやっている映像を見せてほしい」「本当にあるのなら問題だが、そんなことがあるとは思えない。虚偽か真実か吟味をして発信しているのか?」「事実でないことをでっち上げているなら日本人へのヘイトではないか」「玉川徹氏の案件と同じ。デマなら大問題」と疑問の声が相次ぐ。 また、「日本がアメリカと韓国の軍事演習を重ねてエスカレートに加わっている」という論調にも「日本人の生命を守るためにやっている」「アメリカ、韓国軍と連携せずにどうやって日本国民の生命を守るのか教えてほしい」「エスカレートをやめるまえに北朝鮮にミサイルを打たせることをやめるよう言うのが先だろ」と怒りの声が上がっている。ただし、番組のファンと見られるネットユーザーからは「本当にあるんだと思う」「なんの根拠もなしに言うわけがない」などの指摘も出ていた。 北朝鮮のミサイル発射によって在日朝鮮人のヘイトクライムが急増していると指摘した渡部氏。その根拠を求める声が相次いでいる。
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社会 2022年10月04日 17時00分
武井壮、北朝鮮ミサイルに「日本だけが脅威に思うことじゃない」発言で疑問の声集まる
4日放送の『めざまし8』(フジテレビ系)で、同日朝に北朝鮮から発射された弾道ミサイルについて報道。番組に出演していたタレント・武井壮のコメントにネット上からツッコミが集まっている。 今回発射された弾道ミサイルは過去最長の推定飛距離約4600キロ。東北地方上空を通過して排他的経済水域(EEZ)外の太平洋上に落下した。なお、北朝鮮のミサイルが日本上空を通過するのは約5年ぶりとなる。 >>『めざまし8』谷原章介の怒りの発言に「差別的で悲しい」の声 児童に発達検査勧めた教師に「失礼極まりない」<< このニュースについて武井は「実際に排他的経済水域内とか国土に(ミサイルが)落ちたってことはない」と指摘。さらに「当然北朝鮮の地理上の場所とか考えると、ミサイルの実験するってなったら海側に打つだろうなって思う」と分析した。 また、武井は「(飛距離が)4000キロってことはほぼアジア全域くらいはカバーできるわけで。それはロシアも含めて全部ですけど、北マリアナ海溝あたりまでも届くレベルじゃないですか」といい、「これ、別に日本だけが脅威に思うことじゃないんじゃないの? って僕は常に思うんですけど」と明かした。 武井は、こうした報道の中でアジア諸国の反応を知ることはできないといい、「そのエリアの中にいる人たちにとってはすべて脅威だと思うから、本来だったら(世界)全体で非難するべきだと思うんですけど」と話していた。 しかし、この発言にネット上からは、「こんなに日本に向けて打ってるのに」「何言ってんだ?」「日本の上空超えていったの分かってる?」「日本が一番危機感抱かなきゃいけないのは間違いないのに」というツッコミが集まっていた。
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社会
「おぐらが斬る!」休戦70年 北朝鮮はいま何を考えているのか
2023年07月31日 19時02分
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「おぐらが斬る!」一時は豊かであった北朝鮮が世界の最貧国に落ちるまで
2023年07月05日 22時01分
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『サンモニ』青木氏、日米韓の軍事的結束を猛批判「北朝鮮と紛争が起きかねない」
2023年06月05日 11時45分
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「おぐらが斬る!」北朝鮮の悲惨な実情 人権問題報告書によると・・・
2023年04月05日 22時01分
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北朝鮮・韓国 半島国家との付き合い方は難しい
2023年03月20日 22時30分
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韓国伊大統領来日 日本はどれくらい韓国を信用していいのか
2023年03月16日 22時01分
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北朝鮮飢餓深刻 その原因はアレ(ミサイル打ちあげすぎ!)
2023年03月07日 22時02分
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『サンモニ』谷口氏、北朝鮮ミサイル発射で日本政府を批判「朝鮮学校の子が怖い目にあった」
2022年11月21日 10時35分
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北朝鮮ミサイル発射で「在日朝鮮人のヘイトが増えている」サンモニ渡部氏の発言が物議 根拠を求める声相次ぐ
2022年11月07日 11時10分
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武井壮、北朝鮮ミサイルに「日本だけが脅威に思うことじゃない」発言で疑問の声集まる
2022年10月04日 17時00分
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「北朝鮮は韓国侵攻を諦めたことはない」李相哲教授がミサイル頻発の背景を分析
2022年06月02日 10時20分
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北朝鮮、ロシアのウクライナ侵攻から影響?「プーチンのやり方に鼓舞されて」李相哲教授が指摘
2022年04月28日 10時15分
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玉川徹氏、家庭用シェルター問い合わせ急増に「戦争が始まったから?」発言で疑問の声も
2022年04月05日 12時35分
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ホリエモン、ロンブー淳の投稿に「テレビに出てる人のレベル…」と揶揄?「噛み付く能力いらないw」淳も応戦か
2022年01月18日 10時30分
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社会
拉致被害者「生きてる人はいない」発言が物議の生方議員、不祥事起こすタイミングがこれまでも悪すぎる?
2021年10月16日 10時00分
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社会
玉川徹氏、北朝鮮問題に「安全保障の一番の要諦は敵を作らないこと」 疑問の声も
2021年09月21日 12時10分
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芸能ニュース
『水ダウ』のお笑い賞レース企画、キンタロー。のネタに絶賛も心配?「目をつけられるぞ…」の声も
2021年03月25日 22時00分
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社会
青木理氏、北朝鮮が「ラブコール送ってきてる」発言で物議 「爆破を容認している」と批判の声も
2020年07月06日 12時10分
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社会
青木理氏、南北連絡所爆破を「北朝鮮なりの求愛」と発言し物議 「暴力を容認している」批判の声も
2020年06月22日 12時00分
特集
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少年隊・錦織、東山ジャニーズ新社長就任に意味深投稿? 植草とのYouTubeもストップ、現在の活動は
芸能ネタ
2023年09月18日 12時00分
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ジャニーズ最大のタブー? 嵐メンバー4人と“男女の仲”報道、セクシー女優の死【芸能界、別れた二人の真相】
芸能ネタ
2023年09月17日 12時00分
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Snow Man向井、ジャニー氏お小遣い秘話が拡散? グループ不仲説の真相は<実は不仲?【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月16日 12時00分
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一転しジャニーズ契約継続なし、モス広告Snow Manの顔を紙で隠した画像が拡散「イジメ」「涙出てきた」ファン怒り
芸能ニュース
2023年09月13日 18時00分
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株上げた井ノ原快彦、年下に嫌われていた? 森田剛から「嫌い」緊張関係続く<芸能界【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月10日 17時00分