「旗手? 本当に? もし頼まれたら、それほど名誉なことはないわ」
日刊スポーツのインタビューに、大坂はこう答えているが、日本人選手として東京五輪に出場するためには、大きな“代償”を払うことになる。
東京五輪に出場するとなれば、現時点で二重国籍の大坂は“日本人”にならなければならない。そうなると、税金面で負担が増える恐れがあるというのだ。
「アメリカと日本は、両国とも所得が高いほど負担が増える累進課税を採用していますが、所得税の税率が異なります。ザックリ計算すると、アメリカは最大37%、日本は45%+住民税となります。大坂は日本国籍を取得しても、米フロリダ州に自宅を構えているため、現地で固定資産税なども支払い続けねばなりません。さらに、日本国籍を選ぶと、『国籍離脱税』の支払いを命じられる可能性も出てきます。ここに、日本から所得税の徴収も加わるわけです」(社会部記者)
あくまで推定だが、大坂はこれまで大会賞金、スポンサー契約料などで数十億円を稼いでいる。国籍離脱税、日本に支払う追加分等を計算すると、日本国籍取得と同時に数億円を失う恐れがあるという。
実は、大坂の自宅があるフロリダ州には、州に納める所得税がない。そのため、メジャーリーグ・ヤンキースの超高額選手などはニューヨークから遠く離れて、フロリダ州に自宅を構える者も少なくないという。大坂が、そんな“恩恵”を知って自宅を購入したかはさておき、節税の意識が高ければ、日本国籍取得は得策ではないと気づくだろう。
大坂が国籍に関する結論を出すのは、22歳の誕生日を迎える10月。同時期、消費税も10%に上がる。
今月、大阪で行われていた大会に出場した際、「たこ焼きがおいしかった」と上機嫌だった大坂。庶民派のなおみなら、税金など気にせず日の丸を背負ってくれるはずだ。