当日は父で力道山の次男である百田光雄と組み、折原昌夫・NOSAWA論外組と対戦。デビュー表明時には「祖父の名に恥じないように、相手が誰だろうと“やられたらやり返す”気持ちでリングに上がらせていただきます」と抱負を語り、リングコスチュームも力道山と同じ黒のタイツを身に着ける予定だ。
力選手は茨城・土浦日大高時代にレスリング部に所属。現在はスポーツジムのインストラクターをしながらトレーニングに励んでいる。
「'04年に『ノア』の入門テストを受けたが、不合格。『ノア』所属(当時)の光雄氏は息子を罵倒したものですが、練習を見ていると時折“爆発”して父を彷彿とさせるそうで、昔のプロレススタイルを期待している面もある。確かに話題性もありますが、気性の激しかった力道山の血が試合で生かされれば、実力で一気にブレイクする可能性はありますよ」(スポーツ紙記者)
光雄氏の真意について、ノンフィクション作家の織田淳太郎氏が言う。
「今は大仁田厚の電流爆破デスマッチなどに象徴されるような、サーカス的なプロレスが流行っているが、光雄氏は父・力道山が築いた力と技を競い合う正統派のプロレス時代に戻したい気持ちがあるのではないでしょうか。今のファンは、プロレスがショーだとわかって見ている。それは、バーチャルで派手な世界に自分を投影して得られる満足感が欲しいからです。ただ一方で、こういう閉塞感のある時代ですから、曲芸よりも現実的な正統派のスタイルこそ必要とされている面もある。息子にもそういったプロレスを期待しているのだと思います」
執拗なまでにナンバー1にこだわり続けた力道山。ある意味で非常に不器用な生き方ともいえるが、そんなキャラが今のプロレス界にも求められている。孫のファイトに注目だ。