『日本に帰るかもしれない』と打ち出していたのだ。
「それを受けて、オリックスの長村裕之本部長がコメントを出しています。“メジャー第一”のイチローの気持ちを最優先と前置きしてからですが、『ウチでやってくれということは前々から伝えている』と。帰還の受け入れ態勢は整っているようですね」(担当記者)
メジャーリーグでは、レギュラー選手の補強を終えてから控え選手の獲得に入る。イチローの交渉が遅滞しているのはそのためで、メジャー残留に固執する場合、それが叶うか否かがハッキリするのは2月中旬から下旬ということになる。
「オリックスが交渉に入るのはイチローがメジャー残留を諦めた後」(特派記者)
しかし、スンナリと古巣帰還とはいかない。中日が正式に争奪戦への参戦を表明したのだ。森繁和監督(63)は18日、「話は進めてあります」と言い切った。これに対し、こんな見方もされていた。
「中日は松坂大輔に対しても入団テストを受けさせます。松坂とイチローはお互いに認め合った仲です。『エビで鯛を釣る』の発想で、松坂でイチローを狙う意味もあるのでは?」(関係者)
昨年末、イチローは郷里・愛知県下のイベントに参加した。野球少年が日本帰還の可能性を問うと、本人は否定しなかった。
「中日がイチローにこだわるのは、お膝元の愛知県出身だから。イベントの前後に会っていたのかも」(同)
水面下で動き始めたとされるのが、高橋巨人だ。先発タイプの長身右腕・ヤングマンを獲得し、ゲレーロ、マギー、マシソン、カミネロの5人態勢となった。ただ、外国人の一軍登録は4人まで。高橋監督は「野手2、投手2」と言うが、頭数の足らない救援陣を考えると、マシソンとカミネロのどちらも二軍には落とせない。ゆえに「元日本人メジャーリーガー」がいるのといないのでは、大きく違ってくる。
「阪神も慎重に見守っています。イチローがオリックスに帰還すれば、関西エリアにおける興行戦争で苦戦を強いられるからです。阪神参戦は考えにくいが、オリックスに行かれるなら、おこぼれにあやかれる同一リーグの中日か巨人に、と考えているはず」(同)
同じジャイアンツでもサンフランシスコの話だが、こちらは外野手が不足しているという。もっとも、JD・マルティネスなど強打の外野手もまだ移籍先が見つかっていないため、「本命にフラレたら、イチローと話をする」という。
「マイナー契約でのキャンプ招待なら、可能性はある。わずかな可能性に賭け、開幕一軍のメジャー契約を目指す。場末のマイナー球場にいるイチローは見たくないが…」(前出・特派記者)
中日、巨人が表立って動き出せば、オリックスも待つだけではいられなくなる。日本での“三つ巴の争奪戦”がますます加熱している。