3日現在、2位ヤクルトに3.5ゲーム差をつけ首位を快走する巨人。ところが、交流戦に入ってからというもの勝ち星が思うように伸びず、もがいている。
2日のロッテ戦では、投手陣が踏ん張ったものの、打線が4安打と抑え込まれ得点を奪うことが出来ず延長12回0-0引き分けに終わった。
これで3試合の延長戦となり、選手の疲労度もピーク。原辰徳監督は「ピッチャー陣がよく頑張ってくれた。0点じゃ勝てませんね。(あと)1本が出なかったということ。このところ勝負どころに課題を残していますね」と選手に奮起を促した。
ここまで11試合を消化し、交流戦4勝5敗2分といまいち波に乗れていない巨人だが、いくつか原因が考えられる。
まずは今季巨人の唯一のウィークポイントともいえる二塁手の不在だ。メジャーで1500安打を放った実績を持つアルフォンゾがテスト入団したものの、不振で2軍落ち。その後は木村拓也、脇谷亮太、古城茂幸など日替わりでスタメンを決めている。だが、脇谷がボーンヘッドや勝負どころでのエラーを誘発させるなど、不安を抱えている。
火種はもちろんそれだけではない。交流戦に突入してから李が再びスランプに見舞われているのだ。44打数8安打、この1週間では24打数無安打。最後にヒットを放ったのは、5月24日にオリックス戦(東京D)までさかのぼらねばならない。
今季は5番でスタートしたものの、あまりの打撃不振で6番に降格。復調の兆しを見せていたが、ここにきて大ブレーキ。本人も「(ヒットが出ず)苦しいです。早く1本が欲しい」と嘆いていた。
巨人といえば、思い出されるのが2006年。それまで首位だったが、交流戦で一気に失速し、13勝23敗と借金を10も作ってしまった。それがシーズンにも影響し、結局4位に沈んだのだ。
「(打線が)下降気味というより、ちょっとピッチャーに負担をかけている。タイムリー欠乏症だね」とは伊原春樹ヘッドコーチ。まだ交流戦は五合目まできたところだが、このままタイムリー欠乏症が続けば、2006年の二の舞は避けられない。果たして巨人は鬼門を無難に乗り切ることができるか。