「休みが続くとダラダラしてしまう。ましてや最近は太りがちで、“太ってるから動かないのか、動かないから太るのか。このスパイラルから抜け出せない”で困っている。定年になったらどうなるのか」(46歳男性)
悲痛な叫びは、身につまされるではないか。
この男性のように、運動不足になると、まず“肥満”の心配が起きる。加齢と共に代謝が落ちるため、人は余計に太りやすくなる。
「筋肉というのは、使わないとどんどん落ちてしまい、筋肉が少なくなると脂肪を燃やすことができないので、脂肪が蓄積され肥満になる。太れば心臓に負担もかかり、糖尿病など成人病発症のリスクが高くなります。また、便秘や肌荒れなどに影響が出てきます。理由は、体を動かさないと全身の血流が悪くなり、体に蓄積された老廃物がスムーズに排出されないため。脂肪や老廃物が多くなると体が硬くなり、ケガもしやすくなります。ちょっとした運動で筋肉や筋を痛めてしまい、骨折することもあります」
東京社会医療研究センターの村岡忠医師はこう語り、適度の運動の必要性を説く。
当然、次に問題となるのは“食べ過ぎ”だ。
「実は今、過剰な食欲で悩んでいる女性が急増しています。もちろん男性も多く、単純に食欲旺盛なだけなら問題ないのですが、その症状が長期にわたって収まらないと、思わぬ病気が潜んでいる場合があります。心の病や内分泌疾患の可能性もあるので、症状を放置していると体重増加はもちろん、身も心もボロボロなんてことが起こります」(前出・村岡医師)
加えて、“食べ過ぎ”の裏に潜む病気として、次の症状を挙げた。
(1)「不安神経症」=常に不安な状態で、過去に受けた精神的なショックや心配、悩み、ストレスなど、精神的なことに。
(2)「過食症」=一定の時間内に大量の食べ物を食べては嘔吐したり、下剤を飲んだり絶食して、体重の増加を防ごうとして起こる病気で、無気力や自己嫌悪に陥る。またこの症状は、ハードなダイエットの後や過剰なストレスが原因で起こる病気という説もある。
(3)「糖尿病」=糖尿病にとって鍵となるのがインスリン。インスリンはすい臓から分泌されるホルモンで、その働きで血糖値が正常に保たれる。このインスリンが量的に不足したり、働きが悪くなると糖尿病になる。インスリンが不足した結果、体を補おうとして過食症になってしまう。
この他に、「低血糖」「バセドウ病」などもある。
以上、「健康に悪そうなもの」を取り上げてきたが、どうしたら健康な生活を送ることができるか。人間は弱い存在だ。「過度の飲食や休日のゴロ寝ばかりで、何も体にいい事をしてない。“よし、元旦から”と思うが実行していない」という声もアンケートにも表れている。
しかし、ここは「不健康な人は生活習慣がだらしがない。見ているだけでストレスが溜まる」という指摘を反省材料にし、40代になったら自分の体と向き合うべきという、もっともな意見に従うべきかも。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」も肝に銘じ、春から強い意志で生活改善に取り組もう。